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電力市場の相場操縦でJERA「不正の意図はない」 規制当局が認定、JERA幹部「現場把握に課題」

東洋経済オンライン / 2024年12月27日 11時0分

長期にわたって(間違ったやり方を)継続していたことを、重く受け止めている。電取委との間で、相場操縦だったかどうかは現在、大きな論点になっていない。われわれの認識として相場操縦、すなわち相場を変動させる意図はなかったということは11月12日付けプレスリリースでも述べている。ただしそこに関して、(電取委との間で)認識のすれ違いがあるということだと思っている。

──卸電力取引のルールによれば、JERAのように圧倒的に大きな発電能力を持つ企業は、相対取引など売り先の見つからない余剰な電力の全量を、発電コスト相当の「限界費用」でJEPXに供出(=売り札を出す)することが特に強く求められています。しかしながら、JERAの東京エリアでの取引では、送電線の一部が補修工事中などで「系統制約」が起きた際 、発電機自体を止めてしまい、いっさい売り札を出さないという、間違ったやり方を続けていました。それが今回、取引ガイドラインで禁止されている売り惜しみ行為に当たると認定されました。

当社は2019年4月に、東電および中部電力から火力発電事業を譲り受けた。この時、担当する現場ではそれ以前と同様の運用をしていれば問題ないと考えていて、取引ガイドライン違反に当たるとの認識がなかった。系統制約が発生している時期にはその発電機は停止させていた。それゆえ市場供出はできないものと考え、現に供出していなかった。

社内では全量供出はできていないという認識はあったものの、従来の運用を継続していることもあり、取引ガイドライン違反になるという意識が低かった。私としては現場任せにしていたことを大きな反省点ととらえている。

──JERAによれば、中部エリアでは同様の問題は起きていなかったといいます。同じ会社なのになぜ対応に違いが生じたのでしょうか。

中部エリアでは、「スマートブロック」と呼ばれる、系統制約時でもまとまった量の電力を取引できるツールがすでに導入されていた。実際の利用開始までにはタイムラグもあったが、東京エリアと比べて送電線で送れる量に余裕があったため、系統制約はあまり発生しなかった。

電取委は不当利得の存在を示唆

──4年半も放置せず、途中で気付くタイミングはなかったのでしょうか。

2021年11月に国の取引ガイドラインが改定され、それまで自主的取り組みにとどまっていたところから、限界費用での全量供出などのルールが取引ガイドラインで明確に規定された。

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