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電力市場の相場操縦でJERA「不正の意図はない」 規制当局が認定、JERA幹部「現場把握に課題」

東洋経済オンライン / 2024年12月27日 11時0分

当時、当社としてどのようにシステムを変更しなければならないのかといった議論が、(未供出の問題を引き起こした)当社の東日本プラント運用センター内で議論されていた。

その際に、系統制約時に発電設備が止まっていることによる未供出の事象についても解決しなければならない課題として認識された。しかし、需給調整市場への対応など、ほかにもさまざまな重要課題があった中で優先順位が劣後してしまい、取引システムの改修が遅れてしまった。

──そもそも何がきっかけで問題の存在が明らかになったのでしょうか。

2023年4月に別の未入札事案があり、そのことを電取委に報告した。これをきっかけとして電取委に過去の取引データを任意で提供したところ、電取委から「こういう事象(=系統制約時に売り入札をしないこと)はどのような考えによるものなのか」との確認があった。

──野口さんはいつ問題を把握したのでしょうか。また、どのような認識をお持ちでしたか。

私が問題を把握したのは2023年8月下旬。電取委から問題を指摘するメールをいただいて初めて確認した。私自身、個別具体的なオペレーションまでは把握できていなかった。実際に系統制約がある時に、当該の発電機を止めておくのは普通の運用だろうと認識していた。反面、全量供出のルールから外れているとの認識はあまりなかった。

──電取委の11月12日付の資料によれば、きちんとルールに基づいた運用をしていたのであれば、データが現存する2020年10月から2023年10月までの3年余りの間に、約54億キロワット時の売り入札が追加的になされていた可能性があり、そのうち約6億5000万キロワットの売り入札が約定していた可能性があるといいます。そのうえで、JERAについて、未供出による約定価格の上昇により、相応の利益をスポット市場から得ていたことも推察されると電取委は述べています。つまり、不当利得の存在を示唆しています。

追加で入札できた量が54億キロワット時だったということは、電取委の発表資料を通じて知った。当社としてその影響を評価する立場にはないと思っている。

──2020年12月から2021年1月にかけて、JEPXでは需給逼迫が発生し、史上空前の高値取引が頻繁に生じました。その後、電取委は当時、JERAを含む大手電力会社が正しく売り注文や買い注文を出していたかを検証し、その結果として売り惜しみなどの不正は確認されなかったとの判断を示しました。今になってみて、果たしてその判断は正しかったのか、疑問も生じています。JERAでは当時、電取委のアンケートに正確に答えていたのでしょうか。

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