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笑顔の石破首相が秘める「政権維持戦略」の成否 会期末「不信任案」なら解散・衆参同日選も

東洋経済オンライン / 2024年12月27日 10時0分

ただ、その“決断役”となるはずの野田佳彦立憲民主党代表は、12月17日の講演などで「これまでは竹光だったが、今度は真剣なので、野党がまとまって一本化に向けて動けるかなどを総合的に判断して決めるべきだ」と発言している。これについて同党幹部は「国民民主、維新も含めて野党が結束できない限り、出すべきではないとの意味」と解説する。

これに対し、石破首相は「会期末に内閣不信任案が出れば、その時点で衆院解散を断行し、衆参同日選で勝負するとの意向を固めている」(側近)とされる。その場合、「野党の候補者調整は大混乱となり、自民の思うつぼになりかねない」(立憲民主若手)のも事実。

だからこそ野田氏が逡巡するのだが、その一方で、野党陣営にも「内閣不信任案も出せない野党なら、国民の信頼も失い、参院選だけでも勝てない」(共産党幹部)との声も根強く、「全てはその時点での政治状況次第」(政治ジャーナリスト)となりそうだ。

問われるのは宰相としての「器量」

そこで注目されるのが、「会期末を迎える時点での内閣支持率」(同)。石破首相周辺からは「自ら変身して『原点回帰』すれば、内閣支持率も上がっているはず」(側近)との楽観論も漏れてくるが、与党内には「自民内の反石破勢力への“忖度”が目立つ石破首相に、大胆な変身など無理」(自民長老)との悲観論が少なくない。

こうしてみると、石破首相の政権維持戦略の成否は、「会期末の時点での内閣支持率だけでなく、それまでの関門をいかに乗り切ってきたかで決まる」(同)ことになり、「全ては、石破首相の宰相としての器量次第」(政治ジャーナリスト)というしかないのが実態だ。

泉 宏:政治ジャーナリスト

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