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「悩みを新年に持ち越さない」ための"唯一の方法" 悩み事は、悲観する前に"俯瞰目線で"見てみる

東洋経済オンライン / 2024年12月28日 12時0分

そんな卵かけごはんに、ある日飽きが来た。なんて残酷なんだ。もはや自身のライフラインであり、ライフスタイルまでも侵食しつつある相棒、卵かけごはん。それに飽きが来るだと?

私はこのいまいましき状況を打破するため、なけなしの卵ラスト1個をごはんにかけ、味の素をふりかけ、電子レンジのスイッチを押した。チャーハン的な何かになって味が変わるかもしれない。

当時の私には、まったく料理の経験がなかった。卵をレンジでチンしたらどのようなことになるかなど想像もしていない。

「もう少しでメインディッシュ(夕食)だ……!」

私の期待を一手に引き受けた卵かけごはんは、レンジのなかで、そして私の目の前で案の定爆散した。

「たっ……! たまごオオォォーーー!!」

いまでも忘れない。マンションの隣の部屋から壁ドンされるほどに絶叫した。

驚き、震え、ひもじく、私はその晩、電子レンジを抱えながらおいおいと泣いた。ああ、ミッション:インポッシブル。任務失敗。

話は長くなったが、私には、卵を1個ムダにした経験がある。この経験を身の回りの人々に話すと、単純に笑ってもらえたりアホさ加減に苦笑されたりするのだが、当時の私にとっては計り知れないダメージを与えられた出来事であった。

卵の話はさておき、この項の本題である。

皆さんからいただく相談でなかなか多いのは、目の前の心配事や危機への恐怖と絶望へのメンタルの持ちようを、どうすればいいのか、というテーマだ。

「目下、最悪の事態なんです」「こんなこと人生初だ……!」「最悪だ。終わった」「これはもう取り返しがつかない」など、さまざまな阿鼻叫喚の相談をいただくが、ここで一つ落ち着いて考えてみてほしい。

あなたは去年の今日、何で悩んでいただろうか?

なんとなー……く、去年は何かが大変だった気がする?

もっと具体的に教えてほしい。どんな感じでピンチだったのだろうか?

たぶん、〇〇の納期が……恋人との仲が……なんかうまくいっていなかった。皆さん、こんな感じではないだろうか。

あんまり覚えていない、そんな人が多いと思う。

去年、その問題に遭遇していたときの自分は、それらがあまりに強大、凶悪に見えたと思う。

しかし、時が流れると「あ、そんなこともありましたね……つらかったなあ……」と少し遠い目で思い出せるくらいになる。

これは、いまの自分がその問題から離れたからである。

人生単位でものごとを見る

もし、その俯瞰した遠い目で、目の前にある問題を見ることができたら、慌てない、怒らない、不安にもならない、せいぜい「めんど……」くらいの感情で淡々と処理できるだろう。

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