「花山法皇の娘」のあまりに"壮絶すぎる最期" 恋愛に奔放だった法皇は母子と関係を持つが…
東洋経済オンライン / 2024年12月28日 7時40分
出家の身である法皇に子どもができたことに対して、世間体を気にして、そのような対処をしたのでしょうか。
その後花山法皇と中務の間には、またしても子どもができました。その子どもたちは、どちらも女の子でした。
下の女の子(妹)は、産まれてすぐに兵部という女房のもとに里子に出されてしまいました。この女の子は、皇女としての人生ではなく、女房の娘としての人生を歩まされることになったのです。そして、その娘もまた養母と同じように、女房となり、藤原彰子に仕えることになったのでした。
しかし、この哀れな「皇女」には、悲惨な最期が待ち受けていました。1024年12月6日の夜。娘は盗賊により殺され、その遺体は路上に放置されたのです。しかも、遺体は路上を彷徨う野良犬により食いちぎられるという無惨な状態でした。
変わり果てた姿となった娘。娘の身元を割り出すことができたのは、着ていた衣服からでしょう。「皇女」は盗賊によって殺されたとする一方で、誰かが路上に誘い出して殺したのだとの噂も流れていました(『小右記』)。平安時代、盗賊は上流階級の人々の邸宅に押し入ることがよくあったのです。
紫式部の日記にも、1008年の大晦日に一条天皇の仮御所(一条院)に盗賊が乱入したことが記されています。このときは殺人事件に発展することはありませんでしたが、盗賊たちは女房2人の衣装を剥ぎ取るという行為に及んでいます。
また、平安時代末に成立した説話集『今昔物語集』にも、強盗・盗賊に関する以下の話(巻第29第8)が記載されています。
下野守・藤原為元の邸(三条大路の南、西洞院大路の西)に、これまた12月の末に、強盗が入ります。
邸の者が騒いだお陰もあり、強盗はほとんど何も取らず、ただ身分の高そうな女性だけを邸から連れ去ったのでした。
女性を馬に乗せ、三条大路を西に逃げる盗賊。大宮大路の辻に来たとき、盗賊はこの女性の衣装を剥ぎ取り、そのままどこかに逃走してしまいます。女性がいては逃げるに足手まといと思い、売れそうな衣装だけ奪っていったのでしょう。
全裸にされた女性は、あろうことか、大宮川に落ちてしまいます。氷が張る冬の川。寒風も吹きすさびます。何とか川から這い上がる女性。民家に行き、門を叩きますが、真夜中でもあり、怖がっているのか、誰もなかに入れてくれません。女性はとうとう、凍死してしまい、遺体は犬に喰われるという悲惨な状態になってしまったのでした。
犯人は誰だったのか
この記事に関連するニュース
-
藤原道長憎しのあまり、暴走し自滅した…ギリギリまで道長を追い詰めた定子の兄・伊周が迎えたあっけない最期【2024下半期BEST5】
プレジデントオンライン / 2024年12月28日 7時15分
-
NHK大河はこの史実をどう描くのか…まだ幼い「定子の息子」に対して藤原道長が行ったひどすぎる仕打ち【2024下半期BEST5】
プレジデントオンライン / 2024年12月28日 7時15分
-
NHK大河ドラマを信じてはいけない…紫式部の娘・賢子が異例の大出世を遂げた本当の理由【2024下半期BEST5】
プレジデントオンライン / 2024年12月28日 7時15分
-
87歳で死去「道長の娘・彰子」及ぼす強大な影響力 藤原実資から「狂乱の極み」と批判されたことも
東洋経済オンライン / 2024年12月22日 8時30分
-
〈NHK大河〉父・道長より民のことを想っていた…息子である天皇と共に最高権力を握った藤原彰子87年の人生
プレジデントオンライン / 2024年12月15日 7時15分
ランキング
-
1ソニーVSキヤノン、ミラーレスカメラで頂上決戦 今冬商戦で初めて旗艦モデルがガチンコ勝負に
東洋経済オンライン / 2024年12月29日 7時30分
-
2スマホ購入直後に「必ずやっておきたい設定」とは? 快適に使うためのおすすめアプリを紹介
ファイナンシャルフィールド / 2024年12月28日 5時50分
-
3バケツの底が抜け始めたNHK受信料収入は1年で429億円減…全世界に売れば生き残れる"巨大鉱脈"の4つの番組
プレジデントオンライン / 2024年12月29日 10時15分
-
4「牛丼店にもイクラ」日本人が知らない資源の実態 すき家や松屋に登場、イクラ丼から考える水産資源
東洋経済オンライン / 2024年12月29日 9時20分
-
5【地方実家は負の遺産?】「実家じまい」過酷現実 持っているだけでお金がかかり、リスクもある
東洋経済オンライン / 2024年12月29日 8時30分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください