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帯状疱疹に血尿、がん闘病中に次々と訪れる試練 日常生活は崩壊寸前、膀胱の全摘出手術を決断

東洋経済オンライン / 2024年12月28日 9時0分

これで完治ではない。この病気のいやらしいのはここからだ。次に患者を襲うのは帯状疱疹後神経痛(PHN)と呼ばれる合併症で、この痛さに悩まされる人が多い。痛みと言ってもさまざまで、「焼けるような」とか「締め付けるような」持続性の痛みから、「ズキンズキンとうずくような」痛み、さらには軽い接触だけでも痛む「アロディニア」といった痛みが混在している。痛みがひどいと睡眠を妨げ、日常生活に大きな支障をきたすことになる。

長期戦を覚悟しなければ…

筆者もこのPHNに悩まされ続けている。毎朝、起きると右手から背中の上部にかけピリッとした痛みが走り、ズキズキとした痛みが継続する。つらくて我慢できないというほどではないが、気持ちが悪くてやっていることに集中できない。1日中ずっとというわけではないが、何度か不快な思いをすることの繰り返しである。

12月下旬になっても症状は治まらない。周囲の60代の知人数人が帯状疱疹経験者で、彼らの話を聞くと「痛みがおさまるまで6カ月かかった」「僕は1年かかったね」とさまざま。いずれも長期戦だったようだ。

治療法は原因となっているウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬と、痛みに対する痛み止めが中心となる。PHNに対しては鎮痛作用のある三環系抗うつ薬などが用いられるほか、神経ブロック注射やレーザー治療もある。

帯状疱疹の病状レポートが続いたので、がん闘病に話題を戻す。

暦は10月、秋本番を迎えていた。快適なシーズンになったにもかかわらず、体調的には帯状疱疹に続き新たな難題が降りかかってきていた。そもそものがんの原発巣である膀胱が再び活動を活発化させてきたのである。膀胱がんは発見時の腫瘍の大きさが小さく、ステージがⅠやⅡといったレベルであれば、腫瘍を切除したり膀胱を全摘出したりする。

ところが、筆者のケースは発見時に腫瘍が手術可能なレベルを超えるほどに肥大化していた。そのため膀胱そのものは温存して様子を見ることにして、転移先の肺の腫瘍の進行を抑制する治療を行ってきた。腫瘍が大きすぎて手術が難しいことに加え、仮に膀胱を全摘出しても肺に転移した腫瘍に効果が現れるものではない、というのも温存理由のひとつだった。

少量でも尿意を催す

4月に抗がん剤治療を始めてから約半年。膀胱はおとなしくしてくれていた。尿意もなく痛みもない、そんな穏やかな日々が続いていたのだ。それが10月に入ってから、だんだんと尿意を催す回数が増えてきた。

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