岸田派「宏池会」解体後の人間関係は変わったのか 官房長官が陥りがち「官邸病」への向き合い方は
東洋経済オンライン / 2024年12月28日 8時0分
政治ジャーナリストの青山和弘が政党や各界の論客をゲストに招き、日本の政治を深掘りする「青山和弘の政治の見方」。今回はゲストに石破内閣の官房長官を務める林芳正・衆議院議員を迎え、2024年に行われた自民党総裁選挙、衆議院議員選挙という2つのイベントについて議論した。
前編記事:林芳正「なくなって構わない税収など存在しない」
※記事の内容は東洋経済の解説動画シリーズ「青山和弘の政治の見方」の下記の動画から一部を抜粋したものです。外部配信先では動画を視聴できない場合があるため、東洋経済オンライン内、または東洋経済オンラインのYouTubeでご覧ください。
青山和弘(以下、青山):2024年の自民党総裁選挙に出馬されて、林さんは9人中4番目という結果でした。私は林さんが出られたときに率直に、岸田政権の官房長官で、その岸田さんが辞めた後の選挙だから、なかなか厳しい戦いになるだろうと思いました。
【動画を見る】ポスト石破に意欲!?/総裁選の総括/総裁選の仕組み/自公過半数割れ/連立拡大の可能性/SNSの影響力/主権者教育/ネット規制の問題
その意味では善戦したという見方もできると思いますが、林さん自身はどう総括されていますか。
林芳正(以下、林):総裁選が終わった直後に同じことを聞かれた際、思わず「素晴らしい成績をいただいた」と言ってしまったのですね。それが素直な実感だったのだと思います。岸田政権で官房長官をやっていたのもあり、周りにも当初は出ると思われておらず「出るとわかっていたら応援したのに」という声も結構いただきました。
「次の総裁は誰がいいか」という世論調査での支持率は、最初1%くらいにとどまりました。ただ、自分には「岸田政権でこれだけのことをやってきた」という自負がありました。広島サミットや、デフレ脱却への道筋をつけたことなどもそうです。
(岸田路線を)継承すべきところは継承していくという候補者が1人くらいいてもいいんじゃないかという思いがあったので、非力を顧みず出馬した。その主張はきちんとできたと思っています。
派閥解体でも人間関係が消えないのは自然なこと
青山:岸田派という派閥は岸田さんが率先して解散されましたが、総裁選で林さんを支持した議員はほとんどが岸田派だった面々で、派閥候補的な存在だった。この点の「矛盾」を指摘する声もありましたが、どう受け止めていましたか。
林:ずっと30年近くこの仲間内でやってきたので、派閥がなくなったからといって「もう知りません」という関係性ではありません。単に一緒にいたというだけでなく、政策を一緒に進めたりしてきたわけで。その中での人間関係が残っているのは、ごく自然なことかなと思います。
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