流行語が「死語」にならず世代を超えて定着する条件 「真逆」「夜ご飯」もかつては一般的ではなかった
東洋経済オンライン / 2024年12月29日 16時0分
「真反対」という言葉も一時期使われていたように思いますが、どこかの段階で淘汰され、「真逆」に一本化されていきました。「真逆」は語形から考えて、あまり目立たず、若者言葉っぽくも新語っぽくもない言葉ですが、だからこそ、言語変化が水面下で進行し、自然に定着したものと思われます。
実はたくさん「気づかない新語」
語彙研究者の橋本行洋氏は、こうした「気づかない新語」研究の先駆者で、「夜ご飯」「食感」「目線」など、数々の「気づかない新語」を掘り起こし、分析しています。「夜ご飯」という語を例に取ると、たしかに以前は「夜ご飯」は存在せず、「晩ご飯」という言葉が使われていました。
「朝―昼―晩」という組み合わせのなかで、「朝ご飯」「昼ご飯」「晩ご飯」だったわけです。しかし、その組み合わせが「朝―昼―夜」に変わったことで、「晩ご飯」もまたひっそりと「夜ご飯」に変わっていったのでしょう。現在では1日3食が一般的ですが、かつては1日2食の人も多く、「朝餉(あさ げ)」「夕餉(ゆう げ)」と呼ばれていました。
それが「朝ご飯」「夕ご飯」に変わったという歴史も考えられそうです。「夕ご飯」が「晩ご飯」を経て「夜ご飯」になった背景には、日本語の変化だけでなく、日本社会の変化もあると考えられます。
[参考文献]
橋本行洋(2007)「語彙史・語構成史上の『よるごはん』」『日本語の研究』第3巻4号、pp.33-48
石黒 圭:国立国語研究所教授、総合研究大学院大学教授、一橋大学大学院言語社会研究科連携教授
石黒 愛
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