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資さんうどん、「北九州のうまさ」で狙う列島制覇 創業者の死を越えて、うどん一杯に込めた本気

東洋経済オンライン / 2024年12月29日 7時45分

今後出店を進める関東圏では、トリドールホールディングスの「丸亀製麺」、吉野家ホールディングスの「はなまるうどん」など、讃岐うどん系のチェーンが人気だ。これらのチェーンはセルフサービスで、手軽に利用できる点で多くの客の支持を得てきた。

資さんが競合と異なる面はいくつかある。まずは席で注文するフルサービスの形式であること。メニューも豊富で、ランチだけでなく、カフェのように利用されることもある。

深夜営業や24時間営業の店舗もあり、アルコールの需要もある。北九州では「資飲み」という名前で親しまれているほどだ。さまざまな客層に、幅広いシーンで利用されていることこそ、資さんの強みといえそうだ。

すかいらーくの谷真会長は「資さんは今後3年間で、現在の3倍の210店舗まで拡大したい」と期待を寄せる。全国展開を進めても、居心地のよさ、使い勝手のよさを武器に集客できるかが、ポイントになるだろう。

外食大手グループに参画し、全国展開を進める。順調な成長ストーリーにも見える資さんだが、実はほんの数年前まで苦難にあえいでいた。

試練となったのは、創業者の大西氏が2015年に亡くなったことだった。精神的な柱を失い、会社として何を大事にしていくのか、出店をどう進めるのかなど、社内の意見もバラバラになってしまった。

「一歩を踏み出す勇気がなくなっていた」――。ユニゾン・キャピタルの要請で就任した佐藤社長は、2018年当時をそう振り返る。当時の店舗数は36店で北九州に集中していた。規模拡大はおろか、新メニューの開発・提供サイクルも失われていた。今あるものを守ることに必死だった。

佐藤社長はソニーや外資系コンサル、ファーストリテイリングで経営変革や店舗運営などの経験を積んだ人物だ。資さんについてもユニクロ時代から知っていたという。

外食チェーンなのにバラバラ

佐藤社長が最初に取り組んだのは会社の軸を作ること。経営陣と多くの社員で議論を交わし「幸せを一杯に。」などの経営理念を定めた。

最大の課題は、外食チェーンの基本である店内作業の改革だった。当時は個店ごとに経営している状態で、調理や接客の方法はバラバラ。肝心の味も店長らの感覚で決めていた。

売り上げレポートは2カ月後に本部に届き、リアルタイムで業績を把握できなかった。「通常の飲食チェーンがやっていることがほぼできていなかった」(最高執行責任者<COO>の大井裕之氏)。

そこで、改めて店内作業のマニュアルを作成し、調理や提供の方法、接客の手順まで、細かな点を少しずつ統一していった。

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