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資さんうどん、「北九州のうまさ」で狙う列島制覇 創業者の死を越えて、うどん一杯に込めた本気

東洋経済オンライン / 2024年12月29日 7時45分

それでもおでんの具材がなくなってしまう。ぼた餅の調理が間に合わない。ホールの片づけや皿洗いも進まない。そんなトラブルは日常茶飯事だったようだ。

そのほか、朝定食の鮭もスタッフがさばくなど、仕込み作業はほぼ各店舗で行っていたが、一部の作業を外部の仕入れに切り替え、効率化を進めた。店舗のキッチンやテーブルなどのレイアウトも統一していった。

こうして数年をかけ、着実にチェーンとしての仕組みを整え、現在の72店まで規模を広げてきた。さまざまな客層に幅広いシーンで利用される資さんの強みは、ファンドの傘下で改めて磨き直したものだった。

「アジアの資さん」になれるか

全国展開にあたっては、マーケティングなどもこれまでと違ったスケールで行う必要がある。また、3年間で140店舗ほどの出店計画を踏まえると、人材の採用や教育についてもスピードが求められる。

資さんは今後、ファミレスからの業態転換に加えて、さらなる拡大も視野に入れている。「ゆくゆくは海外にも出店していきたい」(佐藤社長)。すかいらーくの谷会長も「資さんうどんの甘めの出汁は東南アジアなどで受け入れられる」とみている。

ユニゾン・キャピタル傘下で規模拡大への態勢を整えたように、今度は全国展開、海外進出に向けてすかいらーく傘下で成長を遂げられるか。ここからが本番だ。

金子 弘樹:東洋経済 記者

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