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米国で「ピックルボール」大流行する納得の理由 あらゆる年代の男女を"魅了"するスポーツ

東洋経済オンライン / 2024年12月29日 13時0分

テニスのようにあらかじめ自分のパートナーを用意していなくても、ふらっとひとり参加できるわけで、これは便利だ。基本的にサーブやリターンはテニスと同じなので、テニス経験者であればコートに入った瞬間からすぐに楽しめる。

テニスの感覚でコートの一番端まで走ってボールを拾うと「うまい!」とパートナーから感謝されるおまけつきだ。コートがテニスより狭い分、走り回って体力を消耗することがなく、何時間でも続けてプレーできる。

ただし、得点の数え方が複雑なので、その点だけはちょっと難しい。ただ、パートナーや経験者が数え方を教えてくれるのでとくに問題はない。

さまざまなレベルの人々が複数のコートで同時にプレーしているため、自分と同じぐらいのレベルの人がいるコートを見つけやすい。

目当てのコートのネット脇に自分のパドルを置けば「私はこのコートで次にプレーしたいので、待っています」という暗黙の意思表示になる。

ひとりがパドルを置くと、その隣にはすぐに誰かがパドルを置き、即席でダブルスが組める。10代の人とも70代の人ともダブルスを組んでプレーしてみたが、どんな年代の誰と組んでもゲームが楽しめることに驚いた。

ダブルスを組んだ70代の女性は、ほぼ毎日プレーしているとのことで、ネット際の球の処理がうまく、後方の球を筆者が走って取れば、あとは彼女がネット際で粘り強く決めてくれる、という感じで頼もしかった。

プレー待ちをしている間に見知らぬ人からルールを教えてもらえるだけでなく、パドルはどこで買えばいいのかの情報ももらえ、デジタルのクーポン券までわけてもらえた。

初心者が多いせいか、経験者たちが快く歓迎してくれる雰囲気なのだ。ほかのスポーツと比べても、ほとんど信じられないほどのフレンドリーさだ。なるほど、これがピックルボールの魅力か、と納得できた。

ピックルボールにはプロ選手がおり、「メジャーリーグ」が存在する。試合はテレビ放映されるほど認知されている。カリフォルニア州内で行われたメジャーリーグ・ピックルボールの試合を取材すると、世界ランキング1位の女子選手、17歳のアナ・リー・ウォータースが登場し、観客席からは大歓声が飛んでいた。 

「幼い頃からサッカーやテニスなどいろんなスポーツを思い切りやってきた中で、ピックルボールが自分にしっくりきた」とウォータースは話す。2017年にピックルボールを始め、12歳でプロとなり、ニュージャージー・ファイブズというプロ・チームに所属している。女子シングルス、ダブルス、そしてミックスダブルスの3カテゴリーで世界1位の成績を収めたスター選手だ。

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