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米国で「ピックルボール」大流行する納得の理由 あらゆる年代の男女を"魅了"するスポーツ

東洋経済オンライン / 2024年12月29日 13時0分

彼女のダブルスの最初のパートナーでありコーチも務めている母親のリーさんは「娘はずっとサッカーに夢中で、私たち両親はピックルボールを彼女に強制したことは1度もない。でも、ある時、娘自身が自分の意志で、これからはピックルボールに専念したいと言い、自ら練習スケジュールも立ててきた」と言う。

スポンサーのフィラのユニフォームに身を包んだウォータースは、バックハンドの振りが速く、ショットが正確だ。ピックルボールは高齢者のスポーツだという固定観念を持っていると、トップ選手の敏捷な動きを見ると度肝を抜かれるかもしれない。

著名人が投資対象としても注目 

ピックルボールのメジャーリーグのチームのオーナーには、NBAバスケの現役選手レブロン・ジェームズや、NFLフットボールのスターだったトム・ブレイディもいる。つまり、投資対象としても注目を浴びているスポーツといえる。

2023年に、アメリカでピックルボールをプレーしたことがある人の数は4800万人を超えた。この数は前年度比35%の伸びで、いま最も成長しているスポーツなのだ。ウエアやパドル、ボールなどの関連用品で現在19億ドルの市場となっており、2033年には79億ドルを超えるとの予測がある。

最近ではテニス経験者がピックルボールに転向するケースが多く、ダブルスでグランドスラム優勝経験のあるプロ・テニス選手のジャック・ソックも、ピックルボールのプロに転向し、ウォータースと組んでミックスダブルスに出場し優勝している。

ミシガン州在住のミシェル・バウムガードナーさんは夫と共に、ピックルボール審判員の資格を取り、全米を回ってメジャーリーグの試合の審判を行っている。テニスの審判と違い、試合中、審判はいすには座れず、日陰がない炎天下のコート脇に立ったままで、汗びっしょりだった。 

「将来はピックルボールがオリンピック競技になるはずだから、その晴れ舞台でぜひ、審判をやりたい」と彼女は夢を語る。

現在、カリフォルニア州では、パームスプリングスなどの富裕層高齢者が多く住む地域にピックルボールのコートが急ピッチで作られており、「ピックルボールのコートが併設されていない不動産は、もうシニア富裕層には売れない」というジョークもあるほど、ピックルボールが主要スポーツになってきた。

2028年のロサンゼルスオリンピックでは種目として採用されなかったが、プロを目指す10代前半の若いプレーヤーたちは、正式の種目になる日が来ることを確信して、日々トレーニングに励んでいる。

長野 美穂:ジャーナリスト

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