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新幹線で「マナー違反」する側が不満を表明する訳 年末年始の帰省シーズンに考えたい、マナー論争

東洋経済オンライン / 2024年12月29日 8時50分

加えて、ルール自体の変更が混乱を招いている側面もある。2023年末から東海道・山陽新幹線「のぞみ」は、ゴールデンウィークとお盆、年末年始に全車指定席となった。

シーズン内でも、普通車デッキなどの立席利用であれば自由席券で乗車できるが、通常のような自由席車両はない。列車が動いて、初めて知った……なんて人が出てきてもおかしくない。

ルールそのものが複雑化

公共交通機関では、荷物トラブルもある。ここ数年で、新たに登場したのが「特大荷物スペース(コーナー)」だ。東海道・山陽・九州・西九州の各新幹線では、これらの空間が付いた専用座席を事前予約する必要がある。

この新サービスは2023年5月に導入されたが、まだ完全周知には至っていないようだ。SNSを見ると、「予約していたが、誰かが勝手に置いていた」といった投稿は少なくない。

昨今では大きなスーツケースを引く旅行者を見かける機会も増えた。そのぶん荷物を置きたい旅行者も多いのだろうが、正当な権利を持つ予約者が怒るのは当然だ。

このように、インバウンド需要の高まりや、働き方改革などを背景に、ルールそのものが複雑化しつつある。今後さらなる改定によって、よりトラブルが起きやすくなる可能性も否定できない。それは同時に、自分自身がトラブルを起こす側になりかねないことも意味する。

ひとたびトラブルを起こせば、すぐさま現代社会では、世界中のさらし者になり得る。たとえ、あなたの肖像権が侵害されていたとしても、「正義」の前ではSNS投稿を止められない。そしてメディアが「報道」の体をとって、さらに拡散される。行き着く先は、社会的な死だ。

「今の常識と非常識」を認識しておく

そうならないように、善良な乗客として重要なのは、いかに最新動向にアップデートできるかだろう。最新のルールと、昨今のマナーの風潮をキャッチアップし続けることが、あらぬ炎上の予防策になる。

時代の変化にあらがおうとすると、そこには論争が生まれる。コンビニで酒やタバコを買った際に、タッチパネルで年齢確認を求められるようになって久しいが、いまなお「かたくなに拒否する年配者」が話題になる。

たしかに「前は違ったのに」と言いたくなるシチュエーションは、日常でよくある。筆者もとあるスーパーで、焼酎の「割り材」をセルフレジで買うたび、ノンアルコールなのに、店員の確認が必要になるのが釈然としない。しかしながら、それはその店における今のルールなのだ。

時代に合わせた変化には、それなりのストレスが伴う。しかし、新たな常識となった価値観と対立して、孤軍奮闘していく方が、長期的に見れば、よりストレスの度合いは大きいはず。早いタイミングで「今の常識と非常識」を認識しておいて損はないだろう。

城戸 譲:ネットメディア研究家・コラムニスト・炎上ウォッチャー

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