なぜ、いま「ポータブルゲーミングPC」が注目されるのか 8万円台から購入可能な"PCゲーム機"が新たな需要を開拓
東洋経済オンライン / 2024年12月30日 7時50分
日本ではいわゆる家庭用ゲーム機、つまりNintendo SwitchやPlayStationなどのTVやモニターに接続する据え置き機のシェアが大きい。ゆえにPCでゲームを遊ぶ人はそう多くなかったようだ。
【写真で見る】最も人気のポータブルゲーミングPC「Steam Deck」
しかし、昨今は状況が変わってきている。2022年にはPCゲーム販売プラットフォームのSteamで日本語ユーザーが大幅に増加したし、いまやSteamのギフトカードはコンビニに置かれるようになった。ゲーミングPCという存在もすっかり馴染み、東京ゲームショウではPCゲーム関連のコーナーも盛り上がっていた。
そういった流れのなかで注目されているのが「ポータブルゲーミングPC」である。かくいう筆者も、しばらくこの手のデバイスに触れていくうちに魅力が見えてきた。
“魅力的で重いPCゲーム”を手軽に遊ぶための手段
現在、ポータブルゲーミングPCとして有名なのは「Steam Deck」や「ROG Ally」あたりだろう。見た目はNintendo Switchのようだが、これでPCゲームが動くのである。
PCでゲームを遊ぶには、性能の高いノートPC、可能であればデスクトップPCがあったほうがよい。しかし、デスクトップPCを導入するのはかなり腰が重いだろうし、ゲーミングPCともなると価格も20万以上が当たり前である。
一方、ポータブルゲーミングPCは持ち運びが容易で価格は8万~13万円程度である。ものによっては20万近いものもあるが、デスクトップPCに比べるとまだ安価といえるだろう。
また、コントローラーが一体化しているのもポイントだ。PCでゲームを遊ぶときはキーボードとマウスで操作するケースが多い。もちろんPCでもコントローラーを接続すれば使用できるが、それでもハードルを高く感じる人もいるだろう。
ポータブルゲーミングPCは価格としても比較的手頃で、コントローラー操作前提であり、かつNintendo Switchのようなものだと思えばかなり親しみの湧く存在といえよう。
とはいえ、「そもそもなぜPCでゲームを遊ぶのか?」と思うかもしれない。実をいうと、ゲームが好きであればあるほどPC市場は無視できない存在であるといえる。
前述のSteamでは毎日のようにたくさんの新作ゲームがリリースされており、インディーゲーム(独立した個人や小規模チームが制作するゲーム)は家庭用ゲーム機よりもPCで先に配信されるケースが多い。また、PCのゲームは高頻度でセールが実施される。
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