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中年の恋リア「あいの里2」ハマる人続出のワケ 今どきバズりのヒントも詰まる「熱量の高さ」

東洋経済オンライン / 2024年12月30日 13時0分

YouTubeからテレビまで、あらゆるコンテンツが世の中に溢れるなか、良くも悪くもいかに熱量高く話題に上るかといった点もコンテンツの成功を判断する要素になっています。こうした観点からも「あいの里」は成功していると言えます。影響力のある人物の発言ならなおさらです。アイドルグループのSnow Manも「あいの里」を推しています。

タレントの発言が火をつけ、切り抜き動画がYouTubeやTikTok、X上で拡散されたことも。お笑いタレントの永野が「永野&くるまのひっかかりニーチェ」(テレビ朝日)で「あいの里」のコンセプトに対して物申した発言がまさにそれです。「恋愛というのは幾つになってもわかるわかる……オエってなる」という正直なコメントが番組に興味を持たせるきっかけを作っていました。

「会話を生み出すコンテンツ力」が重視されていることは、日本のNetflixコンテンツを統括するNetflix コンテンツ部門 バイス・プレジデントの坂本和隆氏のコメントからも裏付けることができます。

日本のNetflix会員数が1000万世帯に到達したことを受け、インタビューした際に「Netflixのようなクローズド(有料)メディアは、会話を生み出す企画性が如実に求められます。オーディエンスはまだ見たことのない新しさを体感し、それが感情移入につながっていくことが重要だと思っています」と答え、「あいの里」をその一例に挙げていました。

実際に番組では独身中年の名言が並んでいます。家庭をおざなりにしていた過去を持つ相手に「家族に向き合ってなかった自分を恥じてくださいね」と諭す言葉は共感ができるもの。ちなみにこれは、参加者の1人だったタレントの藤田ニコルの母親であるパチゆみ(51歳・出演当時)の発言です。

ただし新しさと言っても、「あいの里」は過去にあった人気番組のリブート版でもあります。平成11年から21年までフジテレビで放送された「あいのり」が元です。当時、番組を企画した西山仁紫プロデューサー自ら「あいの里」のプロデュース・演出を務めています。親しみやすさが強みになっているのは確かですが、アップデートしたことが何よりも勝因にあるのではないでしょうか。中年の恋愛という新しいコンセプトに思い切って変えたことが功を奏したと思います。

躊躇なく人間の“ダサさ”を映す

とは言え、まだ見たことのないような新しさだけでバズリを期待できるほど甘くはありません。全話視聴した後、熱量高く語りたくなる中身があるからこそです。もちろん中身があるのは当たり前のことですが、「あいの里」は言葉を選ばずに言うと、人間の“ダサさ”を躊躇することなく映し出しているのです。愛情を持って中年の“ダサさ”を見つめている番組なのです。

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