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中年の恋リア「あいの里2」ハマる人続出のワケ 今どきバズりのヒントも詰まる「熱量の高さ」

東洋経済オンライン / 2024年12月30日 13時0分

シーズン1では“中さん”(60歳・同)がなりふり構わず“あいの鐘”を鳴らした姿に象徴されます。シーズン2では北海道で音楽教室の先生をする“ギタりん”(52歳・同)と大阪出身の秘書“あやかん”(35歳・同)が主役でした。泣きじゃくって子どものように鼻水を垂らす“ギタりん”や美人の参加者が追加されて動揺する“あやかん”の言動だけを指しているのではありません。

黄色信号が灯る言動は自粛する傾向だが

今の時代、不適切さが敏感になるあまりに少しでも黄色信号が灯る言動は自粛する傾向があると思います。特に地上波のテレビはその傾向が強いです。Netflixの場合、有料配信メディアと言えど、“ギタりん”の女性に対する言動はギリギリアウトだったように見受けられました。丸々カットしてしまう選択もあったかと思いますが、「あいの里」は何事もなかったかのように“ホワイトウォッシュ”(美化)はしません。

一時離脱という処置はしつつ、反省して戻ってきた“ギタりん”を追い続けます。そのタイミングでカメラが捉えたのは“あやかん”が“ギタりん”にかけたこの言葉。「3日間くらい無言で過ごしたらええから」。ダサいことをした相手に対する最高に優しさのある言葉なのではないでしょうか。これだから「あいの里」を熱く語ってしまうのです。

毛色は異なりますが、コロナ禍に世界中でバズったNetflixのドキュメンタリーにも類似する点があります。「タイガーキング:ブリーダーは虎より強者⁈」というタイトルのものです。動物愛が行き過ぎたエキセントリックな人物たちを追い、人間の“滑稽さ”を思う存分に表していました。スタイリッシュさが1つのブランドイメージにあるNetflixコンテンツの中で当時、目立っていました。

「タイガーキング」は批判的な目を持って作られているのでその点は大きく違います。「あいの里」はリアリティ番組として作り手が愛情を持って参加者たちを捉えています。QUEENの名曲「Don't Stop Me Now」にのせて、中年の恋にダサくとも思わず応援したくなる力があります。

長谷川 朋子:コラムニスト

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