インドでは「排泄行為」がとんでもなくカッコいい 日本人のようにコソコソトイレに行かない
東洋経済オンライン / 2024年12月30日 9時40分
多様性の時代、文化人類学の必要性がだんだんに認知されるようになってきました。本稿では一人の人類学者が「自分壊し」の旅に出た顛末をつづった『ヘタレ人類学者、沙漠をゆく』より、インド人に感じたミニマリズムの矜持について解説します(一部抜粋・再構成しています)。
電気もガスもないのに暮らせるのか
それにしても、こんな熱砂の吹き荒れる荒涼とした大地に建つ、あまりにも粗末な泥造りの小屋で、どうして生活が成り立つんだろう。
僕にとって居をかまえることとは、電気と水道とガスを開通させることであり、家賃は安いか、駅に近いか、コンビニはあるか、スーパーはあるか、郵便局やATMが近いかなどと考えたりしながら、最適な場所を模索し続けることだと思っていた。
ところが、この家には本当に、モノがない。
周りにも、何もない。
当然、電気も水道もガスも通っていない。
家の中を覗くと、最小限のステンレス製の食器と、石を重ねて泥で固定した小さなかまどと、重ねられた毛布と、ジェラルミンの衣装ケースが数個据えられているだけで、家財道具と呼ばれるような大仰なものはほぼ見当たらない。
あたりまえだが、冷蔵庫も洗濯機も、ない。周りは隣家の一軒がかろうじて視界に入る程度で、見渡す限り荒漠とした大地なのだ。こんな簡素な装備で、人間って生活できるものなの⁉
頭が混乱してくる。あまりにも、生活がシンプルに過ぎるのだ。しかし、彼らはここにだいぶん長いこと(少なくとも10年以上)居住し、生活をしてきたのだ。もし世界最強のミニマリストを決める大会があるとするならば、間違いなくこの家の面々が優勝するはずだ。
とはいえ、彼らのライフスタイルが見え始めてくると、それは極めて合理的な計算に基づいていることがわかってきた。例えば、水道やシンクがなくて、どうやって食器を洗うのか、不思議でしょう?
水や洗剤がないなら「砂」で洗う!
彼らは油で汚れたステンレスの食器を家の脇に運び、サラサラの砂をゴシゴシとこすりつけ、汚れた砂をささっと払い落とす。2回ほど同じ動作を繰り返すと……なんということでしょう。食器がピカピカになって、油がしっかりと落ちているではありませんか!
食器用洗剤のCMよろしく、指で擦るとしっかりとキュッキュッとなるほど、油が落ちている。砂はきっと日中の直射日光で熱せられて殺菌消毒がされているだろうし、何より砂の粒はしっかりと油分を吸収し、食器からこそげ落とすのに便利なのだ。砂だけは破壊的な量を誇る世界だ。食器用洗剤には事欠かない。
この記事に関連するニュース
-
インドの沙漠で痛感した日本人のヤバい「劣化」 電気まみれの生活で日本人が失ったものとは
東洋経済オンライン / 2024年12月31日 9時30分
-
プラスマイナスゼロで「土に生きる」 農的生活を実践する歌手・加藤登紀子さん【Style2030】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年12月29日 11時0分
-
ペットボトルを「水筒」として再利用したいです。衛生面でリスクはありますか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年12月23日 10時30分
-
節約のために「お湯」を使わず、毎日30分「水」で洗い物をする妻。お湯にくらべて、どのくらい光熱費を節約できますか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年12月17日 4時40分
-
「面白すぎる!」と各界で話題に!常識をくつがえす体験と視点が詰まった一冊。『ヘタレ人類学者、沙漠をゆく』発売(12/14)。
PR TIMES / 2024年12月12日 11時15分
ランキング
-
12025年「値上がりしそうな中古車」何がある? 「インプ/ランエボ」もヤバい!? 米国「25年ルール」解禁で国産の“名モデル”海外流出の危機! 今買っておくべき5台は
くるまのニュース / 2025年1月2日 19時10分
-
2めちゃ遅い…「ノロノロ運転」は違反? 「10キロおじさん」が過去に話題! 知らないうちに「逆あおり運転」となる条件とは?
くるまのニュース / 2025年1月2日 17時10分
-
3こんな10円玉があるの!? 一見“偽物”のようにも見える10円玉が「6500倍」の価値に大化けしたワケ
オールアバウト / 2025年1月2日 21時50分
-
4電気・ガスなし築73年「廃団地」が満室の不思議 廃団地を90万円で購入して貸し出したら…
東洋経済オンライン / 2025年1月2日 8時0分
-
5運転中の「ながらスマホ」は罰金だそうですが、「信号待ち」だったら「運転中」ではないのでOKですよね? 別に事故とか起こさないから大丈夫…? 法律では実際どうなのか
くるまのニュース / 2025年1月2日 12時10分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください