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生成AIでアップルも頼る最強の裏方企業「AWS」 「カスタムシリコン戦略」を強力に推進

東洋経済オンライン / 2024年12月30日 9時0分

2024年12月2〜6日、ラスベガスで開催されたAWS「re:Invent」(筆者撮影)

世界最強のEC(電子商取引)サイトを運営する「Amazon.com」(以下Amazon)の名前を知らない人はおそらくいないだろう。日本では「Amazon.co.jp」のドメインで事業を運営しており、EC以外にも、音楽配信「Amazon Music」、動画配信「Amazon Prime Video」、電子書籍「Amazon Kindle」などのオンラインコンテンツ配信、販売でも日本の一般消費者にもおなじみの事業者だ。

【画像】AWSが世界中のデータセンターで稼働させている、サーバーのラック

そのAmazon社の関連会社がAWS(Amazon Web Servicesの略)だ。当初はAmazon自身にITインフラを提供する社内部門としてスタートし、そこから20年をかけて、グローバルにIT企業や事業会社などにITインフラを提供するクラウドサービスプロバイダー(CSP、クラウドサービス事業者)としてシェア1位の座を維持し続けている。

実は、日本の一般消費者も知らない間にAWSの恩恵にあずかっている。日本でトップシェアのスマートフォンは、言わずと知れたアップルのiPhoneだが、実はそのiPhoneに提供されている、あるいはこれから提供される生成AIの機能を開発し、インターネットの向こう側で演算しているのはAWSが提供する「カスタムシリコン」と呼ばれるAWS自社開発の半導体なのだ。

元々はAmazonのIT部門としてスタート

AWSは、2003年にAmazonのITインフラを整えるための社内部門としてスタートした。現在多くの企業ではデータセンターと呼ばれるコンピュータをたくさん集めたデータの処理や保存を専門に行う施設を自社敷地内、あるいは外部の施設に間借りする形で用意している。AWSがAmazonの一部門として始めたのは、Amazonの自社サービス(前出のKindle、Music、Prime Videoなど)を運営する際に必要なITリソース(データを処理するCPUやGPUなどのプロセッサーやデータを保存しておくストレージなど)を提供することだった。

【画像】AWS CEOのマット・ガーマン氏、Amazon CEOのアンディ・ジャシー氏、巨大なAmazonの配送センター、生成AIを活用するデジタルコンシェルジュ機能「Rufus」、AWSのカスタムシリコン「Graviton4」「Trainum2」、アップルマシンラーニング・AI上級部長のビノット・デュピン氏

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