トランプ氏にべったり「イーロン・マスク」の皮算用 高官候補人事から「トランプ2.0」の行方を占う
東洋経済オンライン / 2024年12月30日 8時0分
2025年1月20日の大統領就任後、トランプ新政権が本格始動することでアメリカ、そして世界の経済や社会はどう変化するのか。週刊東洋経済「2025年大予測」の内容から、トランプ氏の高官人事を基に展望する。
※記事の内容は東洋経済の解説動画シリーズ「『週刊東洋経済』ピンポイント解説」の下記の動画から前編の一部を抜粋したものです。外部配信先では動画を視聴できない場合があるため、東洋経済オンライン内、または東洋経済オンラインのYouTubeでご覧ください。
高井宏章(以下、高井):トランプ氏の人事案について持った印象は、例えば経済領域の高官候補の顔ぶれを見ても、経済に対する見方や政策の方向性に必ずしも一貫性があるわけではなさそうだ、ということです。
【動画を見る】トランプ新政権の人事・政策/「忠誠心」重視で人選の理由/ディープステート解体/イーロン・マスクの狙い/税制・移民・通商政策/日本の立ち位置/円安加速のリスク
むしろ一貫しているのは、トランプ氏に「忠実」な人が選ばれているという点です。同じようなことが外交・安全保障領域などでも言えると思いました。アンバランスな組み合わせが散見される中、どういう力学で政権運営がなされていくと考えればいいのでしょうか。
二階堂遼馬(以下、二階堂):始まってみないとわからない部分が多いですね。トランプ政権の1期目では、安全保障政策を担当する大統領補佐官を務めたジョン・ボルトン氏がすぐに解任されましたが、今回もトランプ氏は臨機応変に対応してくるのかなと思います。
「1期目と同じ轍は踏まない」
二階堂:経済に関していうと、たとえば中国に追加関税を課したとして、それが結果的にアメリカのインフレ高進に作用することもありえます。トランプ氏はバイデン政権下でのインフレを批判して当選したわけですから、自分たちの政策がインフレに寄与してしまうとなれば、その旗を降ろす可能性は十分あります。
そう考えると、忠誠心のある高官たちが、その時々のトランプ氏の方針に合わせて振る舞うのだろうと考えられます。
高井:2期目のほうが1期目より、さらに何が起きるかわからないと。
二階堂:そうですね。ただ、「1期目と同じ轍は踏まない」という部分はトランプ氏もかなり心得ているようです。実際に辞めていった高官たちが暴露本を出したりもしているので、そういったことを起こさない人物を周りに固めているのかなと思います。
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