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LCC最大手だが安全性に問題も…チェジュ航空とは 2005年設立、自治体と財閥が合弁で設立

東洋経済オンライン / 2024年12月30日 8時0分

事故が発生した韓国・務安(ムアン)空港のフライト情報。チェジュ航空(JEJU airと表示されている)のボーイング社製737-800型機7C 2216便が着陸に失敗して炎上し、170人以上の死者・行方不明者を出した。事故がなければ7C 2215便として再び飛び立つ予定だったが「欠航」と表示されている(写真・2024 Bloomberg Finance LP)

2024年12月29日、韓国南西部・全羅(チョルラ)南道にある務安(ムアン)空港で着陸に失敗し炎上事故を起こしたチェジュ航空は同日、「事故で亡くなられた乗客と遺族の方々に深い哀悼と謝罪の言葉を申し上げる」と謝罪した。

事故機には乗員・乗客181人が登場し、うち乗務員2人が救助されたものの、ほかは全員の死亡が判明した。

チェジュ航空のキム・イベ社長は12月29日にソウル市内での会見で「今回の事故で亡くなられた乗客と遺族に深くお詫びする。原因が何であれ、最高経営責任者として責任を痛感している」と述べた。

事故機は関西空港でもバードストライク

キム社長は「迅速な事故収拾と搭乗者家族の支援に全力を挙げる。政府とともに事故の原因究明に向けて最善を尽くしたい」と明らかにした。遺族には「補償など具体的な中身については、今後協議していきたい」とのみ述べた。

事故機にこれまで事故を起こしたか、あるいは機体に欠陥があったかを問う質問には、「そういったことはなかった」と明らかにした。事故機は2009年に製造されたボーイング737型機で、出発・到着前の点検と24時間前の点検を完了していたと説明した。

実は事故機は、2022年11月に日本の関西国際空港で離陸直後にバードストライク(鳥類衝突)で引き返したことがある。これが今回の事故と関係があるのかという質問には、「関係はない」と答えた。事故旅客機は2022年11月、関西空港で離陸直後にバードストライク(鳥類衝突)で緊急回航した。

2005年設立のチェジュ航空は、韓国のLCCとして最大規模に成長した。同社は韓国・済州道(済州特別自治道)と化学・日用品製造を主軸とする中堅財閥・愛敬(エギョン)グループが合弁で設立。2006年に済州・ソウル金浦(キムポ)線で初就航を果たした。

2024年第3四半期(7~9月)の韓国国内線での累積輸送実績は、計2万724便・乗客約361万人。シェアでは15.4%となり、韓国最大手・大韓航空に次ぐ2位となっている。

また国際線では計4万137便・乗客約645万人でシェアは9.8%、大韓航空とアシアナ航空に次いで3位を占める。日本にも東京・成田や関西、福岡など各地に就航しており、知名度も高い。

一方で、設立以来20年近くで急速な成長を果たしたものの、その安全性についてはつねに問題点が存在してきた。

使用機体の稼働時間が長い

2021年、チェジュ航空は韓国の航空会社の中で総合安全度スコア最下位を記録し、韓国・国土交通省は同社に対し航空安全監督官を2倍に増やして管理監督を強化したことがある。

当時、チェジュ航空は補助翼の損傷を見つけられないまま運航した機体があり、これについて政府からの制裁を受けている。

2019年には韓国プサン・金海(キムヘ)国際空港から離陸した金浦空港行きの旅客機が、離陸5分後に機体ソフトウェアの不具合がわかり金海空港に引き返す事件も発生した。

さらに、チェジュ航空が保有する航空機の平均稼働時間が他社に比べて長く、機体の老朽化が早いという指摘もある。

航空機の月平均稼働時間とは、航空機が収益を得るために飛行する総時間を保有航空機台数で割った数値だ。

2024年第3四半期時点で、チェジュ航空機の月平均稼働時間は418時間となり、大韓航空の355時間より17.7%長いことがわかっている。

同じ韓国のLCCであるジンエアーの371時間と比較しても12.7%長く、安全性について指摘されてきた。

ソウル新聞

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