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チェジュ航空事故、韓国で指摘される「問題点」 乗客の中には3月に結婚控えていたカップルも

東洋経済オンライン / 2024年12月30日 17時30分

事故機の被害者家族と対面する最大野党、共に民主党の李在明代表(写真:SeongJoon Cho/Bloomberg)

12月29日、韓国南西部、務安国際空港で起きた大惨事に、韓国社会は沈痛した雰囲気に包まれている。

【写真】滑走路の短さが指摘されていた務安国際空港

着陸に失敗し、爆発した飛行機には、乗客175名(韓国人173人、タイ人2人)、乗務員6人を含む181人が搭乗していた。助かったのは最後尾にいた乗務員の男女2人のみ。179人が犠牲となった。

同機は韓国とタイを結ぶクリスマスチャーター便で、今月8日から就航していた。タイ・バンコクを午前1時30分頃に経ち、務安国際空港には、8時30分に到着する予定だった。

3月に結婚する予定のカップルも

乗客のほとんどは、空港からアクセスのよい周辺地域に住む人々だったと伝えられた。両親の傘寿の祝いにと一家9人でタイ旅行に出かけた家族、昇進を祝い、忙しくなる前に家族で旅行に行こうと乗り込んだ家族、なかには3月に結婚式を控えていた2人もいた。

娘の父親は、韓国メディアの取材に嗚咽を堪えながら、「私の末娘です。3月9日に結婚式を控えていたのに。お父さん行ってくるねと言って新郎と一緒に旅行に行きました。とても、とても苦しい……」と最後は言葉にならなかった。

乗客と空港に迎えにでていた家族とのやりとりも公開された。

「ちょっと(上空に)いる。鳥が翼に挟まったみたい」→「えっ」→「着陸できない」→「いつからそうなの」→「ちょっと前。遺言残さないといけないかな」‥(通信社「NEWS1」12月29日)。

このメッセージが交わされたのは午前9時。管制塔がバードストライク(鳥の衝突)の注意警報を送ったのは午前8時57分。そして、その2分後、機長は「メーデー(緊急信号)」を叫び、胴体着陸を試みたが、速度を落とせないまま、滑走路を外れ、ローカライザー(着陸誘導安全施設)にぶつかり機体は爆発した。午前9時3分頃だった。形として残ったのは、機尾のみ。損傷が激しく身元が確認できない遺体も多く、DNA鑑定が行われていると伝えられた。

空港周辺では、鳥の群れと正面衝突し、上空にいる機体の右翼から白い煙りがでているのが目撃されており、「ボン」という大きな音と共に機体の後尾から火花がでているのを見たという証言も出ている。

チェジュ航空の韓国での評価

事故を起こしたのは、バンコク発の済州(チェジュ)航空のボーイング737型機だ。ヨーロッパのLCC(低コスト航空)大手のライアンエアーが2009年に購入し、2017年に済州航空にレンタルされたと伝えられている。

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