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Google、Android XRで拡張現実の境界を超える AIとXR、ヘッドセットと眼鏡が開く新たな可能性

東洋経済オンライン / 2024年12月31日 7時40分

GoogleはAndroid XRの発表に合わせて、Google フォト、Google TV、YouTubeといった自社アプリのAndroid XR対応版の動作を示した一連の動画を公開した。その様子からは、ヘッドセットでアプリを使うときにどのような感覚になるかを知ることができる。

たとえば、Googleフォトアプリは、ウィンドウ内のUI配置などはタブレット版に準じているが、「Immersive(没入感)」と書かれたボタンを押すと拡大表示した写真や動画の端がフェード処理されてよりふんわりと浮かんでいるような印象になる。別のボタンでカルーセル表示にすれば、多数並んだ写真や動画を左右にめくるようにして目的のものを探し出せる。

Immersive表示はヘッドセットやスマートグラスならではの表示方法であり、他にもGoogle マップやChromeブラウザーのAndroid XR対応版でも使える。

また、YouTubeアプリでは動画に関する質問を音声でたずねると、Geminiの音声機能が答えを返してくれる。ほかにもGoogleの「Circle to Search(かこって検索)」機能なども対応しているアプリで使うことができる。もちろん、立体視動画や、360度見渡せる全天球動画などにも対応する。

複数企業が対応ハードウェアを開発中

Android XRを成功させるには、その性能を最大限に活用するヘッドセットやスマートグラス製品と、それを購入し使用するユーザーが必要だ。しかし、この分野の製品はいまだ一般に広く認知され、普及しているとは言い難い。

そのためGoogleは、今回は独自のAndroid XR対応ハードウェアを作るのではなく、まずサムスンと「Project Moohan(ムハン)」というコード名でヘッドセット製品を開発中だと述べている。このヘッドセットは2025年に発売される予定だ。また、サムスンはスマートグラス製品にも取り組んでいると伝えられており、ヘッドセットに続いて市場に投入されると予想されている。

なぜ先にヘッドセット型デバイスの発売をする計画なのかだが、これはおそらく、視界を完全に覆うヘッドセットのほうが、よりVR効果をはっきりと体感できるからだろう。一方、眼鏡型デバイスであるスマートグラスは、むしろライフスタイル的な製品として使われ、没入感よりも、たとえば駅から目的地までの道案内を表示したり、周辺にあるレストランの情報を調べたりするようなARデバイスとしての使い方に向いている。使用言語が異なる外国に旅行の際は、道ばたの標識やサインボートを見て、そこに書かれている内容をAIで調べることも、Geminiが使えるスマートグラスなら簡単にできるだろう。そしておそらく、音声による操作は専用コントローラーを使えるヘッドセットよりも、スマートグラスにとって重要になるはずだ。

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