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「紅白に旧ジャニ出ない」は"テレビ崩壊"の始まり 2024年は既存メディアを必要としない動きが活発化

東洋経済オンライン / 2024年12月31日 12時0分

だが、それが原因で退所者が出るとなると話は別だ。2回の記者会見の後、事務所からの独立を発表した二宮和也、岡田准一、生田斗真の3人はCMの契約社数の多い3人だった。特に近年、個人のCM契約社数TOP3は木村拓哉・岡田准一・二宮和也であり、その3人のうち2人が抜けたことになる。

二宮は「怖くなった」など、彼らは性加害報道後の周囲の変化が独立のきっかけとなったことを匂わせている。

もともとタレントとCM契約をしていた企業の中で、契約解除を発表した上で、タレントたちに事務所からの独立を促すような文言を発表した企業もある。その上、番組スポンサーやテレビ局の意向で、独立がテレビ番組出演継続の交換条件となっているといった報道もあった。

1回目の会見の時点では、ジャニーズ事務所自体は名前も会社も存続するという発表だった。

だが、2回目の会見で、補償会社と新しく設立するエージェント会社に分離されるという発表がされた。新会社の設立、会社の分離自体が、テレビ局やCMクライアントなどからの声を受けてのものだったと、新会社の社長に就任した福田淳氏は説明している※2。

テレビ局やスポンサーなど主に“芸能界”における仕事相手からの働きかけが理由で、会社を分離させなければいけなかったり、ジャニーズ事務所で育ってきたアーティストたちが、事務所を離れなければならなかったりしたのだとしたら、これこそ“芸能界”と“芸事”の間で引き裂かれた悲劇だと言えるだろう。

かつて堂本剛はジャニー喜多川とメリー喜多川の2人を慮って「ジャニーズっていうものが、いつしか想像とは離れたものになってきてた部分が多少あったんでしょうかね※3」と語っていたことがあった。それは、肥大化しすぎてしまったことによる弊害があることの示唆だったのかもしれない。

“芸事”を追究し始まった事務所が、大きくなることによって“芸能界”の一部としての側面も持つことになった。そうして肥大化したことが結果的に、この悲劇を生む一因となってしまったのかもしれない。

デジタルシフトは光明だった

それでは、今後はどこに光を見出せばいいのだろうか。

テレビ局やCMクライアントが新会社の設立を促したというが、彼らは本当に組まなければならない相手なのだろうか。仕事相手として彼らと組まないと、“ジャニーズらしさ”は失われてしまうのだろうか。

少なくとも、今回の件ではからずも、CM、テレビといった外部に組む仕事相手を必要とする活動の脆弱性が見えたことは確かだといっていいだろう。これまでジャニーズタレントを起用することで利益を得ていた企業も、何かが起これば、一気に契約の解除や出演の取り止めという判断をすることが明らかになった。当然のことながら、他者が用意した土壌は、他者の判断や事情で使えなくなるのである。

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