「男性指導者ばかり」女子スポーツが持つ深刻課題 パワハラやセクハラの被害もある未整備な環境
東洋経済オンライン / 2025年1月1日 12時0分
筆者は以前から、野球を中心とした女子スポーツも取材している。女子のスポーツには男子とは異なる独自の「文化」がある。
野球で言えば、女子の場合、大会でのベンチ入りメンバーが決まると、監督は監督室のドアを開けておく。すると選から外れた選手が監督からその理由を説明してもらうために列を作るのだ。また、女子では先輩投手のフォームの問題点などを後輩が指摘することも普通にある。
女子の高校相撲部を取材したときに、部員に「好きな力士は?」と聞くと「大相撲は見たことがありません、相撲という競技が純粋に好きなんです」ときりっとした表情で言われたこともある。これも新鮮だった。
ただ、競技として人気が出てくると女性ではなく男性の監督になることも多く「甘ったるいことを言うな」と男子と同じ「厳しい指導」に代わり、パワハラやセクハラの被害が出てくるという。
そういう問題も含めて、日本の女子スポーツをめぐる環境は、脆弱で、確立されていない印象がある。
深刻な女子の「スポーツ離れ」
コロナ禍以降、若者、子どもたちの「スポーツ参加」の機会が減っているが、とりわけ女子のスポーツへのアクセスが減少している。また女子のスポーツ環境にはさまざまな問題が存在している。
「今、子どもの運動不足と体力低下が社会問題となっています。世界保健機関(WHO)によると、WHOが推奨する運動量に達している子どもは5人に1人と言われています。
とりわけ日本では、女の子の“スポーツ離れ”は深刻です。スポーツ庁の統計によると、1週間の総運動時間(体育の授業を除く)が60分未満の小学生は、男子が9.0%、女子が16.2%。中学生の場合、男子11.3%、女子は25.1%です。中学生女子の4人に1人が1週間の運動時間が1時間以下になっているんです」
こう話すのはロンドンに本部があるローレウス・スポーツ・フォー・グッド財団シニア・プログラム・アンド・グランツ・ マネージャーの篠原果歩さんだ。
ローレウス財団は、スポーツの力を活用して、世界中の子どもたちや若者、彼ら・彼女らの地域コミュニティにおける暴力、差別、不平等のなくすことを目的として設立され「アスリートのアカデミー賞」と言われる「ローレウス・ワールドスポーツ・アワード」を授与している。
子どもたち、とりわけ女子の「スポーツ離れ」を食い止めるために、ローレウス財団は2020年、プロテニスの大坂なおみ、スポーツメーカー大手のナイキとともに女の子のスポーツ参加促進支援を行うプログラム「プレー・アカデミー with 大坂なおみ」を設立した。
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