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楽天が手を伸ばす「お試し割」というパンドラの箱 通信業界は嵐の前の静けさ、市場が荒れる懸念も

東洋経済オンライン / 2025年1月1日 9時30分

通信回線をワンプランで提供している楽天に対し、競合3社はメイン、サブ、オンライン専用といった分類で、異なる料金プランを展開するのが特徴だ。今回の制度改正では、料金を割引できる期間、そして金額の上限が決められている。どのブランドでどの程度の期間や割引額を設けるか、各社が互いの腹を探り合う「チキンレース」に陥る事態も予想される。

3社がお試し割引を導入する場合、最も想定しやすいのは、ドコモの「ahamo(アハモ)」といったオンライン専用プランでの施策だ。データ量30ギガバイトを月額3000円ほどで各社提供しており、楽天のプランが意識される料金水準にある。

一方、3社の間でも状況は異なる。KDDI、ソフトバンクと違って、ドコモは競争力のあるサブブランドを持たない。お試し割引の考え方をめぐって濃淡が出る可能性もあり、前述のキャリア関係者は「ウチはしばらく他社の様子見だ」と明かす。

総務省も、お試し割引が始まれば、利用者や販売代理店の混乱を招いたり、格安スマホ業者に悪影響をもたらしたりする懸念があるとして、市場の動向を注視する。設定した割引期間を合理的に説明できるようキャリアに求めるなどしているが、「実際に始まらないと影響はわからない。ハレーションが大きければ、すぐ制度を見直すこともありうる」(総務省料金サービス課の担当者)。今後、割引を導入したキャリアから意見聴取を行ったうえで、競争促進効果を検証する方針だ。

新制度の解禁後も市場に与える影響を見通せないまま、いまだ均衡状態が保たれている通信業界。順当に楽天が口火を切ることになるのか。嵐の前の静けさが漂ったまま、新たな年を迎えている。

茶山 瞭:東洋経済 記者

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