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日本の正月料理はなぜ、世界的にも「特殊」なのか 世界の人たちは新年に何を食べているのか

東洋経済オンライン / 2025年1月1日 8時40分

ブルガリアの家族が見せてくれた12月31日の食卓は、ソーセージやチーズなど祝い事の食卓の定番たちが並べられ、主役はバニツァというヨーグルトチーズパイ。バニツァは家でもよく焼くし街のスタンドでも買えるくらい日常的なものだけれど、新年を迎えるためのバニツァは特別。「おみくじ」が入っているのだ。

ハナミズキの小枝で紙をパイに刺したり、中に入れたり。一家でバニツァを食べながらこの「おみくじ」をするのは、運の良し悪しを判定するというよりも、イベント的な楽しさがあるに違いない。同様のおみくじ的な風習は各地にある。

ところでこれも12月31日の話。1月1日は残り物を食べてゆっくり過ごすという。

フィンランドの一家と迎えた新年は、12月31日の夜は家で映画を観て、深夜近くになったら家の近くのスキーリゾートに向かってカウントダウンと花火で新年を迎え、家に帰って市販のソーセージとポテトサラダを食べて寝た。

フィンランドは、アウトドアでもサウナの後にもしょっちゅうソーセージを食べるが、新年もやっぱりソーセージ。特別意味があるわけではなく、「スーパーでソーセージとポテトサラダを買ってくるんだよ」というエフォートレスな過ごし方が、らしさなのかもしれない。朝起きたらいつもと同様の休日。ゆっくり過ごした。

お節料理のようなものはない?

というわけで、各地12月31日に食べるものはそれなりにあるけれど、1月1日は特に何もない。そして決まったものは1〜2品で、お節料理のように何品も作らない。さらに、家族で食卓を囲むことに重きがあるような印象で、1つひとつの料理や食材が意味を持つゲン担ぎのようなものはあまり見られない。イタリアのレンズ豆くらいだろうか。

行事についても、夜更かしして新年の瞬間をカウントダウンで迎えて花火が上がるくらい。1月1日よりも12月31日のニューイヤーズイブの方がやることが多く、「新しい年になったね!」でイベントは終了する。1月1日はのんびり過ごして1月2日から仕事や学校開始だ。

そう考えると、1月1日になった瞬間すべてが始まり、お節料理とお雑煮を食べて初詣に行ってお年玉を渡して……といった数々の正月行事がある日本文化は、正月の重要性がきわめて高い。なぜ日本の外において正月は重視されないのか。

そもそもほとんどの国には「正月」がない

そう、正月は日本および東アジアの一部の国の文化なのだ。もちろん1月1日はすべての国に訪れる。でもそれは「新年」であって「正月」ではないのだ。新年と正月、あまりに使い慣れた言葉で違いを意識することも少ないが、何が違うのか。改めて考えてみよう。

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