2025年「2つの思考法」が"問題解決できる人"の鍵 論理思考、仮説思考「以外に」大事な考え方は?
東洋経済オンライン / 2025年1月2日 10時1分
経営コンサルタントとして50社を超える経営に関与し、300を超える現場を訪ね歩いてきた遠藤功氏。
36刷17万部のロングセラー『現場力を鍛える』は、「現場力」という言葉を日本に定着させ、「現場力こそが、日本企業の競争力の源泉」という考えを広めるきっかけとなった。
しかし、現在、大企業でも不正・不祥事が相次ぐなど、ほとんどすべての日本企業から「現場力」は消え失せようとしている。
「なぜ現場力は死んでしまったのか?」「どうすればもう一度、強い組織・チームを作れるのか?」を解説した新刊『新しい現場力 最強の現場力にアップデートする実践的方法論』を、遠藤氏が書き下ろした。
その遠藤氏が、『3つの問題への対処法』について解説する。
*この記事の前半:2025年「日本企業が直面する」3つの"本質的問題"はこれだ
「シンプルな問題」「複雑な問題」の対処は難しくない
2025年の幕開け、近年のビジネス構造の複雑化は著しく、今年もこの傾向は加速するだろう。
【話題の書籍】チーム・組織を強くしたい「すべての現場リーダー」に20年間、読み継がれてきた必読書
本記事の前編(2025年「日本企業が直面する」3つの"本質的問題")では、日本企業が直面する問題は「3つのタイプ」に分類されると書いた。
「①シンプルな問題」に対処するには、理詰めで解決策を導き出す「論理思考」が有効であった。
問題が発生しているメカニズムを論理的に解明すれば、答えに辿り着くことができた。
しかし、「②複雑な問題」の場合は、さまざまな要因が複雑に絡み合っているので、理詰めだけではなかなか解決できないことも出てくる。
その際に有効なのは、問題発生のメカニズムや有効な解決策に対する仮説を立て、それを検証しながら対処する「仮説思考」だ。
しかし、「③厄介な問題」では論理はひとつとは限らない。多様な理屈が複雑に絡み合っているから、「正解」が導き出せない。
また、どの立場に立つかによって、仮説そのものの設定は異なる。仮説を立てることすら難しいから、厄介なのである。
「論理思考」や「仮説思考」だけに頼るだけでは、「厄介な問題」に対処するのは難しい。
それでは、「厄介な問題」には、どのような思考法で対処すればいいのだろうか?
「厄介な問題」に有効な「2つの思考」とは?
その具体的方法論として生み出されたのが、「デザイン思考」や「アジャイル思考」である。
1.デザイン思考
「デザイン思考」は、デザイナーがデザインする過程で用いている思考プロセスをビジネスに応用したものである。アメリカではアップルやグーグルなどでも広く採用されている。
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