子どもの遊びに必要な「主体性」と「無意味性」 目的がないからこそ身に付く能力
東洋経済オンライン / 2025年1月2日 11時0分
為末:おもしろいですね。データを取って、調べてみたいです。
窪田:それはぜひやりましょう。子ども時代に陸上やサッカーなどの屋外競技をしていた人と、外での活動を何もしていなかった人を比べたら、はっきり差が出るはずです。
外遊び時間を増やすために親ができること
窪田:第1回で、なかなか外遊びがしづらい現状についてお聞きしましたが、お子さんの外遊び時間を増やすために、親御さんにできることは何でしょう?
為末:まずは親御さんが、興味を持って外に出かけることが大事だと思います。子どもをどうやって外で遊ばせるかの前に、まずはどうやって自分が外で遊ぼうかを考える。というのも、子どもだけを外で遊ばせるのはなかなかハードルが高くて。
キャンプに行くのでも、公園に出かけるのでもいいので、自分も子どもと一緒におもしろがれるものを見つけてほしいなと。
「遊ぶ時間」は「余暇の時間」?
窪田:親が楽しめば、子どもも自然に外に興味を持ちそうです。
為末:そう思います。自分1人だけでやろうとすると大変かもしれないので、親同士でうまく連携がとれるといいですよね。何家族かで集まって子どもを外に連れ出し、子どもたち同士で遊ばせるような。そうした状況がもっと作りやすくなると、外遊びも楽しくなるのではないかと。
窪田:そのためにも、もっと子どもたちが自由に遊べる場所があるといいですよね。
為末:それと、子どもの遊び時間について意識を変えるとよいかもしれません。よく親御さんに言われるのが、遊ぶ時間を作るのが難しいということ。「遊びはあくまでも“余暇”の時間で、勉強やスポーツは“価値のある時間”」と思っている人も少なくありません。
でも長期的には、遊びによって得られるもののインパクトは非常に大きいと考えられています。
窪田:遊びによって得られるものとは?
為末:最近では、学力テストで数値化されるような「認知能力」に対して、忍耐性や協調性、コミュニケーション力といった「非認知能力」が注目されていますが、それを伸ばせるのが遊びなんです。
勉強やスポーツが短期的な目標を達成するためのプロジェクトだとすると、遊びは長期的なプロジェクトだと思います。
窪田:非認知能力は、これからの時代に必要な力だといわれていますよね。次回でも引き続き、遊びによって子どもが得られるものについて聞かせてください。
(構成:安藤梢)
窪田 良:医師、医学博士、窪田製薬ホールディングスCEO
為末 大:元陸上選手
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