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「親の介護施設入居」を難航させる3つのハードル 本音は「施設の種類が多すぎてよくわからない」

東洋経済オンライン / 2025年1月3日 11時0分

自宅にこもりきりの人の孤立感の解消や心身機能の維持回復、家族の介護の負担軽減などを目的とした宿泊サービス。介護保険を利用する場合の連続利用日数は30日まで。

●介護付有料老人ホーム

食事や生活支援サービスなどを提供する民間の高齢者施設を「有料老人ホーム」と呼ぶ。そのうち、24時間体制で介護を提供するホームは「介護付(特定施設)」、そうでないホームは「住宅型」。

●介護老人保健施設

通称「老健(ろうけん)」と呼ぶ公的施設。永続的に暮らし続けるのではなく、在宅復帰を目指しリハビリや医療、介護を受け、3カ月程度入居する。入居申し込みができるのは原則、要介護1以上。

●介護保険施設

介護保険法に定められた高齢者福祉施設。特養、老健、介護医療院の3種類があり、入居条件が決まっている。入居一時金はなく、所得が少ないと利用料が軽減される。介護医療院は長期的な療養を必要とする人に限られる。

●介護付・住宅型の介護体制

介護付とは、自治体から「特定施設入居者生活介護(特定施設)」の指定を受けた有料老人ホーム。施設にケアマネジャーがいて24時間体制で介護が受けられる。住宅型で介護を受ける場合は、別途サービス提供事業者と契約が必要。

●公的施設・民間施設

公的施設は社会福祉法人や自治体などが運営し、比較的低価格の施設が多く、所得が低いと利用料が軽減される。民間施設は企業などが運営し、利用料の軽減は受けられない。価格やサービス内容、質はさまざま。

体験談「のしかかった負担で、もう無理!」

やんまさん(54歳)埼玉県在住
母(86歳)埼玉県在住/一人暮らし⇒施設

12年前に夫を亡くし、2つのパートを掛け持ちしながら3人の娘(大学生2人と中学生)を育てています。母は実家でひとり暮らしでしたが、膝を人工関節にする手術を受けたことから介護が始まりました。

兄と私は同じ埼玉、姉は東京在住です。「近くにいる人、気づいた人、できる人が母を手伝おう」という感じで介護が始まったものの、私はいちばん近くに住んでいて仕事はパート。

病院へのつきそい、通院の予約、介護サービスや家事代行の手配などさまざまな負担が私だけにのしかかりました。しかも子ども2人が受験、夫の十三回忌法要の準備、Wワークのパート仕事のストレス……。

「もう無理!」と思って施設入居を提案しても、母は「まだ一人で大丈夫」「先のことなんて考えたくない!」という状態。兄と姉にSOSを出し、一緒に説得してもらってなんとか施設に入居してもらいました。

現在は月2回面会に行き、実家の草むしりや墓参り、庭木の伐採の手配をしつつ実家の処分に向けて動いています。施設に入ったら介護が終わるわけではない、と実感しているところです。

月野 まる:漫画家

太田 差惠子:介護・暮らしジャーナリスト

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