すれ違う「80代の親」と「50代の子」お互いの言い分 いつの間にか形勢が逆転しているのは当たり前
東洋経済オンライン / 2025年1月3日 9時0分
あなたの築いた財産なのですから、常軌を逸した使い方でないかぎり、小言を言われる筋合いはありません。
友人関係もそうです。ご自分の領域に踏み込んでくるようなら、断固論戦というけんかをしてください。けんかを恐れて、黙っていたら考えは伝わりません。大いにけんかして、たまに「ありがとう、ありがとう、ありがとう」などと感謝の気持ちを示して、バランスをとればいいのです。
世代の違いなのか、モノがたくさんあるのを嫌う風潮があります。同世代の友人たちに聞くと、モノを捨てろと言う娘さんが多いようです。「断捨離」というのがブームで、家に何もない空間を作るのがはやりのようです。
でも、モノには人の記憶が詰まっています。私は、仕事柄、書籍や資料の入った段ボールが、普段使うこともないのに家に放置されています。
娘に「この荷物どうするの」と厳しく言われますが、「どうもしない!」と開き直っています。
スカーフやアクセサリーなども溜まっているのですが、スカーフを取り出して、「そういえばこれは、必死に働いてお金を貯めて、連れ合いとイタリアにオペラを見に行った時に買ったんだった」などと思い出がよみがえってきます。ヨタヘロになって、外出することが少なくなると、こういったイメージで遊ぶのも楽しみになります。
モノは思い出の扉を開くカギだから、「下手に捨てたら、ボケるかもしれない」と言って説得しましょう。脳医学者の瀧靖之先生によれば、脳には「主観的幸福感」が大切だそうです。ですから思い出遊びで幸せな気持ちになるのは、実によいことなのです。
家族など身近な人は親がボケることに潜在的な恐怖があるので、これは効きますよ。
他の人には、価値がないと思われるモノでも、当人にとっては、価値があると思っているモノもあります。むやみな「断捨離反対!」。
一昔前なら「孝行息子さん」とは思いますが…
80歳になりました。連れ合いが入院後のリハビリ中に、私が脳梗塞を起こし、1人では起居ができなくなりました。このままでは夫婦共倒れという状況を見かねて、50代の1人息子が、会社を辞めて介護に専念しようかと言ってくれています。
とてもありがたいのですが、私たちもいずれはいなくなります。その後、息子がどうするかが心配でなりません。実際の問題として、息子の収入がなくなれば、生活は私たちの年金でやりくりするしかないですし……。
一昔前でしたら、「なんて親孝行な息子さんでしょう」といわれたのではないでしょうか。でも、介護のために仕事を辞めてはいけません。
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