東大生伝授、消去法に頼らない「共通テスト」攻略法 判断に迷う問題が多数、大事なのは「勇気」
東洋経済オンライン / 2025年1月3日 7時30分
そもそも単純に、選択肢の数自体が増えています。問題の数自体は変わっていませんが、その質は大きく変わっており、4択問題が多かったセンター試験時代に比べて、明らかに5~9択の問題が増えてきています。最近だと「12択」の問題すら出現しています。
当然のことながら、選択肢が増えると、他の選択肢を消去することも難しくなってしまうので、消去法で問題を解くのも難しくなってしまいます。
さらに、「最後の2択までは絞れるけど、どっちが正解かわからない!」と思わせるような精度の高い「ダミー選択肢」の数が増えました。こうなると、「これが正解だと思うんだけど、こっちも正解でもいい気がしてしまうんだよな……」と受験生は迷うことになります。
判断力が求められる入試というのは、このように「迷う問題が多い入試」なのではないかと思います。「こっちが正解で本当にいいのか?」ということを考え、その迷いを乗り越えて判断する能力を問うているわけです。
センター試験時代ではあまり見られなかったこととして「社会や理科で時間が足りなくなる」という現象があります。
世界史や日本史は60分の試験時間ですが、30~40分ぐらいで解き終わっていた受験生も少なくありませんでした。
それが今や日本史も世界史も60分フルで使っている受験生がほとんどで、時間が足りないと嘆く受験生もいるくらいです。問題量自体は変わっていないのですが、読み取る資料の数が増え、先ほどからお話ししている「迷う問題」の量が増えたことでこのような現象が発生しているのではないかと考えられます。
正解を選ぶ感覚で解く
では、そんな「迷う入試」に対してどう対応すればいいのか。共通テストを突破して東大に合格した人から話を聞くと、いちばんよく聞く対処法は「消去法ではなく、正解を選ぶ感覚で解く」というものだそうです。
例えば、1の選択肢が「きっとこれが正解だろう」と感じるもので、2の選択肢が「これは間違いとは言い切れないのではないか」と感じるものだったとします。このときに勇気を持って「1」を選ぶのです。
時間をかけて「なぜ2の選択肢が間違いになるのか」という根拠を探すことももちろん大事なことですが、1分1秒を争う入試において、その根拠を探す時間はタイムロスになってしまう可能性もあります。
もちろん余裕があるならその問題に時間をかけてもいいですが、余裕がないなら、一度その問題を解いてから後で戻ってきてもいいはずです。このように「間違いを探す」のではなく「これが正しいだろう」「これが正解になるだろう」というものを選ぶような解き方のほうが点数は安定するのだそうです。
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