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47歳で死去「出版王・蔦屋重三郎」の謎多い人生 江戸を舞台にした大河「べらぼう」が始まる

東洋経済オンライン / 2025年1月4日 9時0分

蔦屋重三郎ゆかりの吉原神社(写真: yama1221 / PIXTA)

今年の大河ドラマ「べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺~」は横浜流星さんが主演を務めます。今回は主人公である蔦屋重三郎について解説します。

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横浜流星が主演を務める『べらぼう』

2025年の大河ドラマは『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』。一見すると大河ドラマとは思えない、奇抜なタイトルです。

【写真】山東京伝の出版物を巡り、蔦屋重三郎はピンチに追い込まれる。写真は山東京伝の墓がある回向院

このドラマで主演を務めるのは、俳優の横浜流星さん。1996年生まれで「仮面ライダーフォーゼ」(テレビ朝日)や「4分間のマリーゴールド」(TBS系)など数々のドラマに出演してきた人気俳優です。

では、大河ドラマの主人公は誰なのかというと、蔦屋重三郎(つたや・じゅうざぶろう)という人物。本ドラマが放送されることが発表された2023年4月27日には、「蔦屋重三郎」というワードがTwitter(現・X)でも大きな話題になりましたが、その一方で「蔦屋重三郎って誰?」というようなコメントも散見されました。

確かに「蔦屋重三郎」と聞いて「よく知っている」と答える人のほうが稀でしょう。大河ドラマ(1963年から放送開始)はこれまで、織田信長や豊臣秀吉、源義経、坂本龍馬といった有名な人物を主人公として取り上げる一方で、どちらかと言えば地味、もしくは無名の人物を主人公に採用したこともありました。

『おんな城主 直虎』(2017)の井伊直虎や、『花燃ゆ』(2015)の杉文(吉田松陰の妹)などが後者の事例でしょう。ちなみに、『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の脚本は、森下佳子さんが担当。森下さんは『おんな城主 直虎』の脚本も担当しました。

話を「蔦屋重三郎」に戻しましょう。重三郎は、江戸時代中期に活動した人物です。

生まれは、寛延3年(1750)。時の江戸幕府の将軍は、9代・徳川家重(1712〜1761)。家重の父は8代将軍、現代では「暴れん坊将軍」として有名な徳川吉宗です。

吉宗は江戸幕府中興の祖として著名ですが、その子どもである家重は病弱かつ言語に障がいがあったとされ、政治は老中に一任されていたと言われています。

そうした時代に生まれた重三郎は、後に出版業に関わるようになり、出版王とも言われました。つまり、2025年の大河は、出版業者が主人公なのです。

これまで数多くの大河が放送されてきましたが(『べらぼう』で64作目)、出版業者が主人公となったのは初めて。天下泰平の江戸時代の人物、しかも出版がテーマということで、合戦シーンはないといってよいでしょう。

吉原で生まれた蔦屋重三郎

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