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銀行が恐れる日銀「預金準備率引き上げ」の現実味 銀行の「棚ぼた利益」に対する国民の不満も

東洋経済オンライン / 2025年1月5日 7時40分

東京都中央区にある日本銀行本店。準備預金制度の超過準備から得られる「預け金利息」が収益を牽引する銀行も多い中、日銀は預金準備率の引き上げに動くのか(撮影:今井康一)

日本銀行は2024年12月18、19日に開いた金融政策決定会合で、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.25%で据え置くことを決定した。次の利上げ時期はいつなのか。そのタイミングをめぐってさまざまな臆測が飛び交う中、一部金融関係者の間で、ある話題に注目が集まりつつある。

【図表】量的緩和で膨らんだ「超過準備額」の推移

日銀による「預金準備率引き上げ」の可能性だ。

日本では準備預金制度の下、金融機関が顧客から受け入れている「預金等の一定比率以上の金額」を日銀に預け入れることを義務づけている。この比率が「預金準備率」だ。

預金準備率の水準は預金区分やその残高によって異なるが、現状は各預金区分残高の0.05~1.3%程度となっている。この準備率を基に、日銀の当座預金に預け入れなければならない最低金額を「法定準備預金額」(または所要準備額)といい、これを超えて日銀に預け入れている金額を「超過準備額」という。

超過準備には政策金利と同じ水準の金利が付く。つまり現在は0.25%の利息が付利される。2024年11月時点で、金融機関全体の超過準備額は約470兆円。現状のままでも金融機関は毎年約1.2兆円もの金利収益を得ることでき、仮に0.25%の追加利上げが実施されれば、さらに1.2兆円の金利収益が上乗せされることになる。

スイス中銀は準備率を引き上げ

裏を返せば、追加利上げを実施するたびに、莫大な利払い負担が日銀に発生することになる。日銀の財務に与える影響も懸念される。

こうした背景のもと、政策金利が一定水準まで上がったタイミングで、日銀は預金準備率を引き上げ、付利の対象となる超過準備額の抑制を図るのではないかとの見方が浮上している。

実は、預金準備率の引き上げは海外に先例がある。2024年4月、スイスの中央銀行であるスイス国立銀行は同年7月1日から預金準備率を2.5%から4%に引き上げると発表した。発表文には「法定準備預金額には利息が付かないため、SNB(スイス国立銀行)の利息コストが削減される」と記されている。

日本を含む多くの先進国で量的緩和政策が実施されたことで、今でも中央銀行の当座預金には、金融機関の莫大な余剰資金が置かれている。利上げ局面では、各国中銀が超過準備額に付利する金利を引き上げることで短期金利の上昇を図ることになるが、それによって中銀自身の利払い負担が膨らんでしまう。

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