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動けない部下や子どもが自走するための接し方 知らぬ間にチャレンジ精神を奪ってしまっている

東洋経済オンライン / 2025年1月6日 10時0分

子どもの場合で言えば、「定期テストで学年10位以内」というのが結果目標で、「定期テストまでに教科書の練習問題を3周する」「毎日5分、英語の教科書の試験範囲を音読する」「23時までに就寝して、授業に集中する」というのが行動目標にあたります。

行動目標のメリットは、「成果や結果と関係なく自分で決めたことをやればいいだけ」なので、「それさえできれば絶対に失敗しない」ことです。もちろん、決めたことをやらなければ“失敗”ということになってしまいます。ですが、結果目標と比べれば、成功確率が格段に上がります。

もし行動目標を達成できないときは、さらにハードルを下げてください。行動目標を設定するのは、「自分にもできた」という成功体験を積み重ねてもらうことが目的だからです。

このように「行動目標」は、ストレスや不安を感じにくくなるので、思うような結果が出ないとき、もしくは結果目標を目指すことにプレッシャーを感じているときに行動を促す効果があります。

また、行動すれば、おのずと「成功体験」が積み重なるので、結果的に相手に自信を植えつけることにつながります。

さらに、「行動目標」のハードルを徐々に上げていくことで、最終的には「結果目標」も達成できるようになります。

後戻りが挑戦のハードルを下げる

相手に自信をつけてもらうためには、「成功体験」を積み重ねてもらうことが重要です。

ここまで読んで、部下や子どもに対して「新しいことに挑戦してもらわなくては」と考えた方もいらっしゃることでしょう。とはいえ、自信がない相手が新たなことに挑戦するのは、なかなかハードルが高いものです。

それを解決するために、「できているところ」から指摘しましょうと前述しました。しかし、自信のない相手に対して、いくら「できているところ」を指摘しても、「自分なんてたいしたことない」「自分には能力も実力もない」と自身を過小評価、謙遜したりしている場合、効果が出ないことがあります。

そんなときに、力を発揮するのが、「できるところまで戻る」ことです。

たとえば、苦手な算数の宿題を1人でできない子なら、「今日は、1人で算数の宿題をやってみよう」と挑戦を促すかわりに、「1人でもできる国語の音読からやってみよう」「宿題の前に、1人でもできる足し算・引き算の問題を解いてみよう」などと、できるところまでさかのぼる。

企画書を書くのが苦手なスタッフがいたら、いきなり「1人で企画書を書いてごらん」ではなく、まず、1人でも埋められる項目だけ書いてもらい、行き詰まったら一緒にやる。要するに疑似的な成功体験を積んでもらうのです。

この方法なら、確実に「自分にもできることがある」「1人でできた」という実感を得ることができます。この「できた!」という実感が、未知を嫌う脳の防衛本能を解き、新しいことにチャレンジするハードルを下げます。結果的にこれまで難しかったことでも1人でできるようになるのです。

人は後戻りすることに抵抗感を覚えるため、1人だとなかなか「できるところまで戻る」という判断ができません。その背中を押してあげるのがあなたの役割です。

大平 信孝:メンタルコーチ

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