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終売決定「アウトバック」は誰が買っていたか? スバル車オーナー分析で見えた最上級の価値

東洋経済オンライン / 2025年1月6日 13時0分

特に「高級」は他車種を大きく引き離しており、スバルの中では唯一と言える高水準だ。「安全」はどの車種も高く、スバルが「アイサイト」を長年培ってきた大きな成果であろう。

それに対して「若々しい」「環境にやさしい」「経済的」は、どの車種においても低水準であり、スバルが得意としないジャンルであることが改めてわかる。

ちなみに「購入車を気に入った点(複数回答)」の質問もしてみたところ、アウトバックは「スタイル・外観」「内装デザイン」「乗り心地の良さ」「室内の広さ」「荷室の広さ」といった点の評価が高かった。

ここでも、アウトバックのボディサイズがもたらす価値がうかがえる。

アウトバック購入者の予算は約400万円?

最後に購入価格のデータを紹介する。こちらはカタログなどに記載されている金額ではなく、購入者が実際に支払った金額で、「値引き前車両本体+オプション価格」「値引き額」「下取り額」「最終支払い額」の各データを取った。

「値引き前車両本体+オプション価格」を見ると、高額な順からアウトバック:489万円、レイバック:475万円、レヴォーグ:453万円、そしてフォレスター:420万円。この金額から値引きと下取りを差し引いた「最終支払い額」は、アウトバック:397万円、レヴォーグ:361万円、レイバック:353万円、フォレスター:332万円だった。

アウトバック購入者の予算は、およそ400万円といえそうだが、もちろん人によってグレードや装着オプションは異なるので、あくまで平均値である点は留意しておきたい。

なお、アウトバックの場合、本革シートやハーマンカードンサウンドシステムなどのメーカーオプションをフルに選択すると、それだけで50万円近くになる。

そのほか特徴的な点として、レイバックの「下取り額」の大きさがあげられる。そのため、「値引き前車両本体+オプション価格」ではレイバックのほうがレヴォーグより高いが、「最終支払い額」になると逆転している。

レイバックの発表は2023年10月25日で、発売からまだ日が浅い。レイバックを手に入れたいスバルファンが、高年式車から乗り換えた可能性が考えられる。

アウトバック終売でスバルはどうなるか?

ステーションワゴンベースのクロスオーバーSUVという成り立ちから見ても、購入者の支払い額データから見ても、アウトバックの後継はレイバックであるといえる。しかし、アウトバックがレガシィ派生であるのに対し、レイバックは一回り小さいレヴォーグの派生車種である。

この先、長くアウトバックに乗っていたオーナーが、レイバックに乗り換えていくかは未知数であろう。SUVのフォレスターに乗り換える例もあるかもしれないが、価格や車格が異なるため大きな受け皿となることは考えにくい。BEV(電気自動車)の「ソルテラ」となれば、なおさらだ。

当然、スバルはそれらすべてを承知のうえでアウトバックの国内販売を終了するわけだが、フラッグシップを失うことによるスバルブランドの総合力低下は一定数、あるはずだ。

2025年には、クロストレックに追加されたストロングハイブリッドがフォレスターにも搭載されると見られるが、スバルブランドの維持・向上は簡単ではなさそうだ。

【写真】もう一度スバルオーナーの分析データを見る

三浦 太郎:インテージ シニア・リサーチャー

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