即不採用候補になる「50代エリート」4つのタイプ 人事担当者が"警戒センサーを発動"する人の特徴
東洋経済オンライン / 2025年1月7日 7時40分
かつてこんなケースがあった。
私がとあるベンチャー企業に入社する少し前に、財務部に転職してきたAさん(当時51歳)という男性社員がいた。Aさんは有名私大卒・大手メーカー出身のエリート。今回が初めての転職で、前職に29年勤め上げたベテランでもあった。
長年のキャリアと実直な人柄、そして年齢なりの落ち着きが、創業間もないベンチャーの、当時の採用担当には魅力的に映ったのだろう。社員の平均年齢36歳を大幅に超える51歳でありながら、即採用となった。
だが、問題はそのあとだった。
3年後の株式上場を目指すべく、財務部長としてスピーディに戦略立案を練ってもらうはずが、いくら待てどもファイナンス計画案が上がってこない。彼が戦略そっちのけで注力していたのは、業務改善をはじめとした部署の環境整備だった。
長らく大手の整った環境で働いていたAさんには、ベンチャーの仕事の進め方が流動的で煩雑に思えたのかもしれない。「まずは地固めが肝心」と環境整備に努めるのは結構だが、彼の残念な点は、部下の意見をろくに聞かずに、前職の業務フローやシステムをそのまま導入しようとしたことだった。
当然、部下から不満の声が続出し、そのいざこざが私の耳にも漏れ伝わった。
結局、Aさんが部下の反対意見に折れる形で現行のまま進めることになったが、その後も何かと前職のやり方を持ち出しては、業務改善をしようと画策。次第に部内はおろか、社内でも浮いた存在となり、1年も経たずに退職してしまった。
私の主観かもしれないが、Aさんのように1社しか経験がない人、あるいは1社での経験が数十年と長い人の中には、「前職でのやり方にこだわる」ケースが少なくない。おそらく、前職での成功体験や慣れ親しんだやり方を、現職でも再現し続けたいと思ってしまうのだろう。
こんな実例も多く見られる。
長らく同じ職場で、「暗黙の了解」(ツーカー)で通じていたからか、他者への説明や指示が不十分になりがちな人だ。結果、ミスコミュニケーションが発生し、チームのパフォーマンス低下につながりやすい。
中でも、私が気になるのは「部下の名を呼び捨てにする」人の多さだ。確かに長い間、同じ会社で働いていれば、互いに身内のような感覚になりやすいのだろうが、その"同族意識"が転職先ではかえって"不調和"を生み出しかねない。
複数の会社を渡り歩いている私は、部下がある日突然、上司になるケースも経験しているので、怖くて部下を呼び捨てにはできない。
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