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マツダ「CX-80」走りは合格、仕様で乗り味の差 簡単に「どれもお勧め」とできない難しさ

東洋経済オンライン / 2025年1月7日 16時0分

ところが同じXDでも後輪駆動モデルの印象はそこまでではなかった。CX-60もそうだったが、細かな仕様の違いによる味の差が大きくて、簡単にどれもお勧めとできないのは難点である。

国内では貴重な「寛げる」3列SUV

乗り心地はまだ全体的に硬めながらリアの妙な突き上げはほぼ解消された。そうすると気づくのが、速度上昇につれて高まってくるフラット感で、高速クルージングは至極快適。ラージプラットフォームの実力が、ようやく浮き彫りになってきた。

トータルで見て、走りに関してようやくOKサインが出せるところに来たのは間違いない。しかし欲を言えばキリがなくて、直進性やステアリングフィールはまだまだ高めたいし、当たりにももう一段のしなやかさがあっていい。この辺りは開発陣も謙虚に認めているところなので、マツダ車らしく今後もきっと進化し続けてくれるはずだ。

実は見渡してみると、これだけのサイズで3列目として応急用ではなく大人がちゃんと寛げるシートを備えたSUVというのは、このCX-80以外に国内には存在しない。CX-80は、色々な意味で余裕を感じさせ、乗る人のライフスタイルを想起させるという意味でCX-8の美点をきちんと継承し、うまく発展させた秀作と評価できそうである。

島下 泰久:モータージャーナリスト

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