神奈川県愛川町のペルー料理が愛される深い事情 県内で最も「外国籍住民の割合」が高い自治体
東洋経済オンライン / 2025年1月7日 9時30分
「スタミナ」の4文字を感じさせる料理は、食べる側から無駄な思考を奪う。躊躇や懐疑を与えない。圧倒的な熱量とボリュームで、戦意を引き出す。
「ロモ・サルタード」は、そうした意味において、実に"好戦的"な料理といえよう。テーブルにどんっ!と置かれた瞬間に、心が弾む。食欲が一気に猛り立つ。思わず前のめりになる。
全国各地からペルー料理ファンが押しかける
南米・ペルーの代表的な家庭料理である。スペイン語で「ロモ」は牛肉、「サルタード」は炒めるの意。その名の通り、皿の上には炒めた牛肉、玉ねぎ、トマト、フライドポテトなどが絡み合って積み上げられ、その横には小山のように盛られたライスと、卵のサラダが添えられる。
ペルー版の肉野菜炒め定食。見た目の"勢い"は裏切らない。スパイスの効いた濃い味付けが、ライスの山をあっという間に崩していく。何も考えられない。もろもろの悩みも消える南米の味。
【写真】店主の内間安彦さん、父親のファンルイスさん、TIKIがある通り、旧日本軍の飛行場「正門」、飛行場の排水に使われた「排水路橋」、店内、牛肉のパクチー煮込み、唐辛子ソース
これを求めて、昼時には在日ペルー人はもとより、全国各地から日本人のペルー料理ファンまで押しかけるのは、神奈川県愛川町のレストラン「TIKI(ティキ)」だ。
移民国家ペルーならではの、多民族融合の味
「ロモ・サルタード」をしっかり胃に収めてから、店主の内間安彦さん(37歳)に聞いた。
━━スパイスが絶妙です。何を使っているのですか?
意外な答えが返ってきた。
「ベースとなるのは醤油です」
実はこの料理、19世紀後半にペルーに移住した中国系移民が考案したものなのだそう。
「いま、ペルー料理と呼ばれているものは、その多くが、さまざまな国から来た移民によってアレンジされています」
先住民族の料理に、ヨーロッパ、中国、そして日本から渡った移民が手を加え、独特の進化を遂げた。移民国家ペルーならではの、多民族融合の味なのだ。
だから、と内間さんが続ける。
「おいしくないわけがないんです。さまざまな国の料理の"いいとこ取り"こそがペルー料理の特徴なのですから」
口の中で多文化が溶け合う。混ざり合う。「ロモ・サルタード」の濃厚な甘辛さは、厳しい労働を耐え抜いた者たちにとって必要な味付けだった。移民の歩んできた道のりが反映された料理なのである。
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