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NHKが「紅白歌合戦」で受信料に言及のびっくり "スタエン抜き"でも盛り上がった印象だが…

東洋経済オンライン / 2025年1月8日 13時0分

2024年大晦日の「紅白歌合戦」の世帯視聴率は32.7%で前年より0.8%上がった(画像:「紅白歌合戦」番組サイトより)

1月2日にNHK「紅白歌合戦」の視聴率が発表され、その数字をネタにした記事が正月の風物詩となっている。

【画像】前年より0.8%上がった、2024年「紅白歌合戦」第2部の世帯視聴率

「前年より0.8%上がった」世帯視聴率

2024年大晦日の「紅白歌合戦」については、共同通信が「過去2番目の低さ」とまるでスクープのように報じた。本文を読むと、午後9時からの第2部の関東地区の世帯視聴率が32.7%で「1989年以降過去2番目の低さだった」とある。だが前年2023年が31.9%と過去最低だったので「前年より0.8%上がった」とも言える。

テレビ離れがぐんぐん進むいま、視聴率が上がったことに私は驚いた。わずか0.8%でも、定期的に放送される番組の視聴率が上がることは、今や大変まれなことだ。2024年の「紅白」は私も大いに楽しんだので、多くの人々が評価したのではないか?

ただ、これらの数字は「世帯視聴率」だ。視聴率はいま「個人視聴率」が主流。2つの違いを簡単に説明すると前者は何世帯が見ているか、後者は何人が見ているか。世帯だと4人の家庭で1人でも見ていればカウントされる。家族全員が同じ番組を見る時代でもないので、個人視聴率がより重視されているのだ。

そこで、ビデオリサーチのWEBサイトで「紅白」の個人視聴率を確認してみた。2023年の2部は23.5%だったのに対し、2024年は23.4%。なんと、0.1%下がっていた。

世帯では上がったが個人では下がった。とは言え1%以下のことで、2023年と大差はない。ただ、データを少し過去から見ると「下げ止まった」と見るべきだとわかる。

個人視聴率は2020年以降のデータしかないので、長期的に比べるには世帯視聴率で見るしかない。2000年代は「紅白」の視聴率は40%を切ることはほとんどなかったが、2010年代後半から乱高下が始まった。2019年に37.3%まで下がった翌年、2020年は40.3%にまで上がった。

コロナ禍で人々が巣ごもり生活になり、テレビ全体の視聴率が上がった結果だ。ところが人々が放送に飽き、テレビ受像機をネットにつないでYouTubeやNetflixなど有料無料の配信サービスを見るようになった。テレビ放送全体の視聴率がぐんぐん下がり、「紅白」も2021年には34.3%まで大きく下がった。

この年はNHKホールが工事で使えず、メイン会場が東京国際フォーラムとなったことも大きいのではないか。翌年2022年はNHKホールに戻り、久々の有観客での開催となったせいか35.3%に持ち直した。ところが2023年は31.9%へと再び大きく下がってしまった。この流れで進むと2024年はまた数%下がる気がしていた。それが「下げ止まった」のは大きな変化に思える。

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