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「新年の目標設定」が"3日坊主"になる意外な理由 思い通りいかない世で、おおらかに生きる知恵

東洋経済オンライン / 2025年1月9日 8時10分

「頭をからっぽにして、心を無の状態にする」ためのヒントをご紹介します(写真:WIWI/PIXTA)

あれもこれもと心配ごとが多すぎて、身動きがとれなくなっているのが現代人。どうしたら、不安に囚われることなく、「今、この瞬間」を全力で生きることができるのでしょう。

新著『考えすぎないコツ』では、禅僧であり世界的な庭園デザイナーでもある枡野俊明さんが、「頭をからっぽにして、心を無の状態にする」ためのヒントを解きます。

本稿では、同書から一部を抜粋してお届けします。

「思いが強いほどよい」とは限らない

新しい年が始まりました。

【写真でわかる】不安を「大きくしない」人が実践している簡単なコツ

今年こそは、理想の自分に近づくために努力しようと思っている方も多いのではないでしょうか。

しかし、「こうあるべきだ」という強い気持ちが、かえって心を縛り、息苦しさを感じさせることもあります。

そんな時に役立つのが、禅が教える「行動の知恵」です。

本記事では、肩の力を抜きつつ、一歩ずつ前に進むためのヒントをご紹介します。

ああなりたい。こうなりたい。ああすべきだ。こうすべきだ。

こうした思いの強さは、すなわちその人の成長意欲、信念、責任感の強さを示しているといってもいいでしょう。しかし、思いが強ければ強いほどよいとは思いません。

なぜなら「~するべき」という思いは、見方を変えると「執着」であり、一つの考えに「囚われている」とも言えるからです。

この執着は、ときに心を固くさせ、人を追い詰める危険をはらんでいます。

人は「~するべき」なのにできないとき、自分を責めてしまうからです。

例えば、多くの人は「健康のために毎日運動するべき」だと知っています。

一方で、仕事に家庭に忙しく、なかなか運動を続けられないのが現実です。

「今日から運動するぞ! ダイエットするぞ!」と宣言したところで、三日坊主で終わることがほとんどでしょう。

それでも普通の人は、「まあ、今日は疲れてるし、仕方ないよね!」と気楽に構えていられるもの。

長い人生を健やかに生きていくためには、そうしたいい加減さ、おおらかさも必要です。 

ところが「一度決めた約束は守り抜くべきだ」という思いが強すぎると、運動を続けられなかったときに「自分はダメなやつだ」と思い詰めたり、ダイエットの成果が出ないと「あれだけ頑張って何も変わらないのか」と、不平不満をため込んだりするのです。

強すぎる信念は、実はもろい

それで結局、運動そのものをやめてしまう。後に残るのは「~べきなのに、できなかった」自分、自尊心が傷ついた自分だけです。

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