SL時代から新幹線まで「雪と闘う鉄道」の記憶 除雪車の豪快な活躍や「防雪林」が守る線路
東洋経済オンライン / 2025年1月9日 6時30分
キマロキによる除雪は昭和30年代以降、線路の両側に積もった雪を掻き寄せることのできるロータリー装置を取り付けたDD14形ディーゼル機関車が登場し、姿を消していった。その後はラッセル車も含め、除雪車はディーゼル機関車の全盛時代となった。現在はそのディーゼル機関車による除雪車も相次いで姿を消し、保線用モーターカーなどによる除雪が主流である。
豪雪の北海道では、かつてDD14形が活躍を見せた名寄本線や深名線などは廃線となったものの、宗谷本線では今もDE15形のラッセル車が定期的に走っており、シーズンになると全国から「撮り鉄」が訪れ、今や北海道の冬の風物詩ともなっている。
豪雪地帯のローカル私鉄
私鉄各社は、機関車を保有する会社では機関車の前後に大型のスノープロウを装着してラッセル車として使用する例が多かった。機関車を持たない路線では電車などにスノープロウを取り付けている例もある。
【写真】今はなき北恵那鉄道(1978年廃止)の車庫。電車の屋根に積もった雪をほうきで払い落とす
筆者の故郷である豪雪地帯の私鉄、福井鉄道は1963年の「三八豪雪」や1981年の豪雪、平成30年豪雪など除雪の苦労を幾度となく経験している。
これまで主に福井市内路面区間の除雪には1923年製の電気機関車デキ11、郊外線ではモーターカーのD-101が主力として使われてきたが、2024年末に新型のMC600形モーターカーが導入され、珍しい大正・昭和・令和の除雪車揃い踏みの体制となった。
新型は川崎重工の関連会社NICHIJOが製造したラッセル・ロータリー機能の両頭軌道モーターカーで、ロータリー最大除雪量は1時間3300トン、投雪距離は最大45mにもなるという。地方鉄道にも高性能な除雪車が導入されるようになっている。
シェルターや「防雪林」が線路を守る
鉄道の豪雪対策は除雪車だけではない。福井鉄道では大雪から線路の分岐器を守る「スノーシェルター」があり積雪による障害を防いでいる。このようなシェルターは近隣のえちぜん鉄道にもあるし、積雪が多い北海道でも石勝線など設置されている例が多い。また、積雪の多い山間部の路線ではコンクリートのスノーシェッドが雪崩から鉄道を守っている。
また、筆者は子どもの頃、「鉄道防雪林」の有効性を学習したことがある。これは吹雪などの被害が起きやすい場所で、線路に並行して針葉樹を植えて風や雪から鉄道を守るための林である。
この記事に関連するニュース
-
のと里山海道9日夜9時から一部通行止め 雪や強風で石川県内の交通機関にも影響
テレ金NEWS NNN / 2025年1月9日 19時3分
-
青森の積雪のヤバさ一目瞭然 「信号機に手が届きます」!? 着雪で見づらいケースも
乗りものニュース / 2025年1月7日 19時12分
-
「0系新幹線」を超えた!? 長~く製造され続けた車両形式5選 見た目変わんないじゃん!!
乗りものニュース / 2024年12月30日 7時12分
-
輪軸不正や脱線、2024年「鉄道トラブル」事件簿 大事故には至らなくても信頼揺るがす事態に
東洋経済オンライン / 2024年12月27日 6時30分
-
ブルトレから新幹線まで「食堂車」黄金期の記憶 かつては全国を走っていた「鉄道の旅の楽しみ」
東洋経済オンライン / 2024年12月18日 6時30分
ランキング
-
1「ヒートショック溺死」は愛媛、鹿児島、静岡に多い理由…「暖房をつけても足元が冷える部屋」を放置してはいけない
プレジデントオンライン / 2025年1月9日 18時15分
-
2為替相場 10日(日本時間 6時)
共同通信 / 2025年1月10日 6時0分
-
3船井電機の前社長側、親会社の民事再生法適用を申請
読売新聞 / 2025年1月9日 21時30分
-
4三菱UFJ銀でシステム障害、コンビニATMなどで現金引き出せず…数万件規模で振り込み滞留
読売新聞 / 2025年1月9日 20時44分
-
5セブン&アイ、24年度中に低収益事業や資産の整理を完了へ
ロイター / 2025年1月9日 16時39分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください