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相鉄、西谷―二俣川間で進む「大改造」工事の裏側 連続立体交差事業で鶴ケ峰駅周辺を「地下化」

東洋経済オンライン / 2025年1月10日 6時30分

2工区では現在の鶴ケ峰駅の北側、市営住宅の跡地で駐輪場などがあった場所から帷子川親水緑道にかかるエリアの地下に新駅舎を建設する。シールドマシンは現在の線路のほぼ真下を掘り進めていくが「駅が現在より北側に移設されることで地下の線路では『S字カーブ』が少しだけ緩くなる」(山西さん)という。ただし、地下トンネルなので改めて“撮影スポット”になることはなさそうだ。

現在、鶴ケ峰の上り線ホームは、一部が地下駅の予定地と重なることから仮囲いが設けられていて、駅北側に作業ヤードが広がっている。駅舎部分を掘削するため、まず地盤に穴を空けて土が崩れないように土留め壁を造る作業を進める。

工事用車両の通行ルートには、通常は歩行者と路線バスしか入れないバスターミナルも一部活用する。水野さんは「駅近隣の工区なので適切な誘導員の配置など、お客さまの安全確保には細心の注意を払っていく」と強調する。

【写真】将来は地下駅となる鶴ケ峰駅の工事現場「2工区」を詳しく見る

鶴ケ峰は地下駅に

駅舎部分は長さ218m、掘削の最深部は約36m。ホームは地下3階部分にできる。「ホームは新横浜線の新横浜駅と同じくらいの深さになる」(水野さん)という。ただ、駅前広場など周辺の整備プロジェクトと一体で進めるため、駅の構造について詳細は明らかになっていない。

山西さんは「街がひとつになることも連続立体交差事業の大きなメリット。『まちづくり』の事業としっかり連携しながら、将来できる地下駅がよりいい駅になるように検討を進めていく」と話す。

親水緑道の水路は一部切り回しをするが、地下駅舎の埋め戻しに伴って最終的に現状に復旧する。

いちばん西側の「3工区」は旭警察署の南付近のシールドマシン到達部を東端とし、相鉄本線をまたぐ保土ヶ谷バイパスを挟んだ約460mの区間。箱型トンネルと擁壁を構築する。工事に伴い、2023年7月に跨線橋が撤去されている。

【写真の続き】相鉄本線鶴ケ峰駅周辺の連続立体交差事業の工事現場「1工区」「2工区」を独占取材。現在は地上を走っている相鉄本線と鶴ケ峰駅は地下化される

大改造が続く相鉄沿線

この数年を振り返ると、相鉄本線とその沿線は目まぐるしく変化した。星川―天王町の両駅を含む約1.9kmの区間は連続立体交差事業により、2017年3月に下り線、2018年11月には上り線が高架となり、計9カ所の踏切が廃止された。

鶴ケ峰駅の西隣、二俣川駅には2018年4月に商業施設「ジョイナステラス二俣川」がグランドオープン。2023年10月には「相鉄ライフ二俣川」をリニューアルした「ジョイナステラス3」が加わり、全館で約130店舗になった。終点の海老名駅では駅舎2階に中央改札口や北口との連絡通路を新設するなどの整備事業が進行中だ。

また、鶴ケ峰駅の東隣、西谷駅も存在感が増した。2019年11月に相鉄新横浜線が西谷から羽沢横浜国大まで開業してJR線と、2023年3月には新横浜まで延伸して東急線と相互直通運転を開始。西谷はすべての列車が停車する乗り換え拠点となった。

地下を走る新横浜線からは相互直通運転をするJRや東急などの列車が入ってくる。東急線は都心側では東京メトロや都営地下鉄、東武東上線など東京・埼玉の各方面にネットワークが広がった。

先に連続立体交差事業が完成した星川―天王町間には約1.4kmにわたる高架下施設「星天qlay(ホシテンクレイ)」が誕生した。高架化と地下化という違いはあるが、鶴ケ峰駅周辺も将来的に街の姿が大きく変化することは間違いない。

橋村 季真:東洋経済 記者

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