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「ポスト石破レース」の"本命"林官房長官の行く末 政界の119番「火消し専門」からの脱皮がカギ

東洋経済オンライン / 2025年1月10日 11時0分

(写真::© 2024 Bloomberg Finance LP)

「今年の政局は何でもあり」との見方が広がる中、注目度の高い政治家の1人が林芳正官房長官(63)だ。岸田文雄、石破茂両政権で連続して官房長官を務め、「ポスト石破」の“本命”との声も少なくないからだ。ただ、「内閣の要」としては発信力不足も目立ち、「『勝負の夏』までにいかに変身できるかが課題」(政治ジャーナリスト)とみられている。

昨年12月14日に官房長官就任1年を迎えた林氏だが、永田町での呼び名は「政界の119番」。誕生日の1月19日に引っ掛けての“風説”だが、「本人も自認している」(周辺)と言われる。歴任した主要閣僚の多くが、前任の不祥事による辞任や更迭を受けた「ピンチヒッターでの就任」だったのが理由だ。

これもあってか、有力者がひしめく「ポスト石破レース」でも、与党内に「当面の混乱回避のための救援投手」の役割を期待する向きが少なくない。しかし、「総理総裁の座は、中継ぎで務められるほど甘いものではない」(自民長老)との指摘も多く、だからこそ、「トップリーダーになるための覚悟と変身」(政治ジャーナリスト)が求められているのだ。

衆院にくら替えは「首相になるため」

林氏は政界でも有数の名門家系の4代目となる典型的な世襲議員。参院議員5期を経て衆院にくら替えして現在2期目だが、くら替えの理由が「総理大臣を狙うため」(側近)だったことは広く知られている。現職は内閣官房長官=沖縄基地負担軽減担当、拉致問題担当=で、首相の臨時代理就任順位は第1位という最重要閣僚。だからこそ、「次期首相に最も近い人物」(自民幹部)としてその言動が注目されているのだ。

この林氏の閣僚歴を過去に遡る形で振り返ると、内閣官房長官(第87代)=第2次岸田第2次改造内閣=、外相(第151代)、文部科学相(第22・23代)、農林水産相(第54・57代)、内閣府特命担当相(経済財政政策)=麻生内閣=、防衛相(第5代)=福田康夫改造内閣=とまさに主要閣僚のオンパレード。さらに閣僚就任前の役職も、大蔵政務次官、参議院憲法審査会会長、同外交防衛委員長や自民党の経済成長戦略本部座長、税制調査会副会長、政調会長代理、参議院政審会長など要職ばかりだ。

政府与党内でも「群を抜く華麗な経歴」(自民幹部)の林氏だが、国民的知名度が今一つであることの理由は「用心深く、自己宣伝を嫌う性格」(同)だからとみる向きが多い。官房長官就任1年目の前日の12月13日、官邸での定例会見で記者団から感想を聞かれた林氏は、手元の答弁メモを読み上げる形で「内閣の要として国政全般にわたって政権を支え、危機管理、政府のスポークスマン、政府部内や国会との総合調整などの職責を果たすことに全力を尽くして参りました」と語り、首相就任への意欲を問われても「この会見は官房長官の立場で臨んでいるものです」と口をつぐんだままだった。

8度の入閣もほとんど「緊急リリーフ」役

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