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「まるで陣痛のよう」40代女性を襲った腹痛の正体 20代から婦人科系の病に悩まされていたという

東洋経済オンライン / 2025年1月12日 9時40分

「チョコレート嚢胞が大暴れしています。いつ何が起きるかわからないから、早めに手術をしましょう!」

前回の受診からまだ半年経っていない。だが、主治医の話だと、この間に、急激に嚢胞が成長したという。これには主治医も驚いていた。

「手術するしかない」

そう覚悟は決めたものの、痛みがないので実感がなかなかわかない。

そうこうしているうちに2日過ぎた頃、事件は起こった。“チョコちゃん”が、かおりさんの体の中で暴れ始めてしまったのだ。「予告もなく、突然、左の卵巣のあたりに激しい痛みが起こりました。それは生理痛をはるかに越えるもので、まるで陣痛のようでした」。

「痛い!」と、お腹を押さえてうずくまる、かおりさん。

救いを求めるも、子どもたちは学校、夫は仕事でいない――。だが、そこにはエアコンの修理業者がいた。まさかの救世主だった。「大丈夫ですか!?」。

体を丸めた状態で、冷や汗を流して痛みをこらえているかおりさんの様子に気づいたその業者は、なんと乗っていた会社の車にかおりさんを乗せ、かかりつけの病院に連れて行ってくれたのだ。

かおりさんがそのときの様子を振り返る。

「業者の方は40~50代くらい。奥さまが私と同じ病気を経験されていたことから、ピンと来たそうです」

診断の結果、幸いにもチョコレート嚢胞はまだ破裂しておらず、卵巣捻転も認められなかった。このため、その日は痛み止めの点滴をして、症状が落ち着いたところで手術し、左側の卵巣を取り除いた。

術後は順調に回復し、入院3日間で退院となった。かおりさんが受けた腹腔鏡手術は、腹部に5~12ミリ程度の小さな穴を3~5カ所あけ、そこからカメラや手術器具を入れるという手術法だ。

大ごとにならなかった理由は?

手術を終えた今、かおりさんは自身の病気についてどのように考えているのだろうか。

「体にいつもと違う症状があったら、早めに医療機関に行くことを心がけていたので、そのおかげで何とかなっていたのかなって思いますね。今となっては、“チョコちゃん”は暴れたのではなく、痛みを発して『もう限界だよ』って警告してくれたのだと思います」

子宮内膜症も月経前症候群も、生理のあるうちは完治が難しく、症状が完全に落ち着くのは閉経を迎えてからになる。それまでまだしばらく、病気との付き合いは続くだろうが、かおりさんには不安はないという。

「病気もまた、自分の一部。これからも、困ったときは家族の協力も得ながら、うまく付き合っていきたいと思っています」

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