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コロナで販売急減「誕生100年の銘菓」が復活の背景 SNSで大量に販売できた経緯とは?

東洋経済オンライン / 2025年1月12日 8時20分

簡易的な梱包なので贈答用には適していませんが、ホームページを訪れた人がそのまま離脱せず、「まずはどんなものか食べてみたい」と購入画面に進んでもらえるように設計した商品です。1つひとつのお菓子は元からあったものですが、組み合わせを工夫したことで、とても魅力的な入口商品となりました。

この狙いが見事的中し、「鯱もなか」が大きく話題になった際に「鯱セット」が爆発的な売れ行きを見せるのは、もう少しだけ後の話です。

事前準備③ 多方面へ拡散するSNSの運用開始

次に、デザインと販売導線が整った公式サイトをより多くの方に知ってもらう必要があります。そこで取り組んだのが、各SNSのアカウント開設です。

総務省が発表した『令和6年版 情報通信白書』によると、日本のSNS利用者数は2023年時点で1億580万人。2028年には1億1360万人にも達すると予測されています。1億以上の人に無料でアプローチできるSNSを使わない選択肢はないでしょう。

まず外せないと考えたのは、Instagramです。

Instagramはアカウントの持っている世界観を作り込むことがカギなので、投稿の方向性を揃えるためにターゲットを20代から40代の女性に設定。

「仕事は医療事務。人間関係のストレスを抱え、仕事帰りに甘いものを求めてお菓子屋に立ち寄る25歳のA子さん」をペルソナとし、常に“A子さんに響くような投稿”という視点を持つように心がけました。

運用担当は、元祖鯱もなか本店の広報担当であるしなのさんです。基本的には彼女がすべて投稿していますが、詳細なペルソナを定めておくことで、誰が写真を撮っても、誰が投稿しても同じ世界観を維持できるようになります。複数人でInstagramを運用する場合は、特に有効なのではないでしょうか。

その他、同業者で素敵な運用をしているアカウントを研究し、良い部分を積極的に取り入れることも行いました。

並行して、X(当時Twitter)のアカウントも開設しました。

じつは、「鯱もなか」はXで大きくなったと言っても過言ではありません。誰でも気軽に投稿でき、瞬く間に拡散されるため、トレンドやムーブメントを起こしやすい点が特徴です。

Facebookも忘れてはいけません。以前よりも利用者数が減ってきているとはいえ、30代以上に強く訴求できるSNSです。Instagram同様に、映える写真を用いつつ、商品情報をしっかりと盛り込む投稿を心がけています。

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