「地下道を歩くだけ」のゲームが実写映画化の意外 人気インディーゲーム『8番出口』が実写でどうなる?
東洋経済オンライン / 2025年1月12日 7時50分
昨今はさまざまなインディーゲーム(独立した個人や小規模チームが制作するゲーム)がヒットしているが、2023年11月に発売された『8番出口』はかなり印象深い作品だ。
【写真で見る】ゲーム版の『8番出口』は、貼られているポスターや壁・天井などに異変があらわれ、それを見つけるゲームだ。
『8番出口』は日本の個人ゲーム開発者「KOTAKE CREATE」によって制作された作品で、無限に続く地下通路で“異変”を探すというゲームである。
累計販売本数は100万本を突破しており、Nintendo Switchではパッケージ版も出ているため、ご存知の方も多いだろう。しかも人気のあまり、「8番出口ライク」(『8番出口』を模倣したゲーム)というジャンルまで生まれている。
そんな本作は、2024年末に実写映画化まで発表されたのである。この意外すぎる発表は多くの人を驚かせた。
既存ジャンルをうまくアレンジ
改めて『8番出口』について説明しよう。
本作は前述のように、地下通路で異変を探すゲームである。もし異変を見つけたら引き返し、もし何もなければそのまま進む。正解だった場合、「◯番出口」の数字がひとつずつ増え、8番出口に到達すると脱出できるわけだ。
大雑把にくくれば間違い探しの遊びであり、ゲームジャンルとしても前例はある。不気味な人工物に閉じ込められる部分は「リミナルスペース」と呼ばれるインターネット上の遊びの一種といえよう。
ゲーム実況で大人気
本作ならではの特徴は、やはり日本の地下通路である部分と、ゲーム実況において特に人気を博した部分にある。
『8番出口』のフィールドは、東京近郊に在住しているのであれば見たことがあるような気がする景色である。基本的にはこの場所しかないのでリッチなグラフィックというほどでもないのだが、珍しい世界設定なうえに再現しやすいロケーションのためリアリティを感じやすい。
実際、SNS上では「リアルで『8番出口』のような場所を見つけた」という書き込みがしばしばあり、身近なものをうまくゲームの題材に捉えられている。
ゲーム実況においては、実況者と視聴者の間にうまく情報格差を作り出すことに成功している。前述のように本作は地下通路の異変を探すゲームなわけだが、プレイしている側と見ている側で得られる情報が異なるのだ。
ゲーム実況をしたことがある人なら体感でわかると思うが、ゲームプレイと会話のマルチタスクはなかなかたいへんなものだ。ゲームに集中すれば喋れなかったり変なことを口走る可能性があるし、逆に話に夢中になっているとゲームがおろそかになる。
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