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身ぶりと声が「何を言うか」より遥かに大事な根拠 本音を語らない人の本音を知る確かな手がかり

東洋経済オンライン / 2025年1月13日 11時0分

あいにく、私たちは自分のボディランゲージや声のトーンを常に意識しているわけではないので、本当に伝えたいこととは違うシグナルが送られがちだ。とりわけストレスを感じているときは、つい短い受け答えになる。神経が高ぶり、ポジティブな気持ちで会話するのは難しくなる。ことによると、目の前のことをさっさと片づけて次のタスクに移りたいと考えるかもしれない。

ところが、会話の相手は、こちらのボディランゲージに影響を受けてしまう。これを思えば、会話は口から発せられる言葉よりも、ボディランゲージや声のトーンをとおして交わされているといえるだろう。

私たちは、相手の発言や話し方、書かれた文章をとおして、その人の気持ちをさまざまに解釈する。

なぜ同僚は、あんなそっけない言い方をしたんだろう? なぜ彼女は、会議でぼくが話しているときにスマホをいじっていたんだろう? なぜ上司は、私が大事な話をしようとしたのに上の空だったんだろう?

そっけない、あるいはネガティブに解釈されがちな声のトーンは、たちまち相手のワニとサルを目覚めさせる。

言葉より「トーン」が脳に伝わる

言葉に感情を読み解く手がかりがまったくないと、たいていは自動的にネガティブに解釈される。

私たちは、物事がうまくいっていて何も問題ないと思える証拠を求めている。その証拠が得られないと、最悪の事態に備える。ようするに、目の前にいる人物が敵か味方かわからない状況で、出たとこ勝負はできないのだ。

相手が味方だという証拠がないのに、味方だと想定して行動するようなリスクは冒せない。もし冒していたら人類はこんなにも長く生き延びられなかったし、いまのワニ脳とサル脳もなかっただろう。

いいかえれば、「何を言ったか」だけでは足りないのだ。「どのように言ったか」もまた、相手の受け取り方を左右する。だから、自分が伝えたいことを「どのように発信すべきか」も考えなくてはいけない。

ボディランゲージと声のトーンから、どんなシグナルが発信されるかを意識しよう。それらがポジティブに響くものなら、多少ぎこちなくてもかまわない。相手のワニとサルは、こちらを味方だと解釈してくれるだろう。そうすれば、その相手の警戒心も緩むはずだ。

レーナ・スコーグホルム:行動科学研究者、講演家、教育者

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