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アウトランダーPHEV「新型のデキ」はいかほどか 進化した比類なきプラグインハイブリッドSUV

東洋経済オンライン / 2025年1月13日 7時40分

「ケーブルも太くしましたし、ヒューズは抵抗値が低いものにしました。それで音が驚くほどよくなるんです」

三菱自動車インフォテイメント開発部の担当者の話は、まるでオーディオメーカーの説明を聞くようだった。

実際にDynamic Sound Yamaha Ultimateを試してみると、実に気持ちのいい音だった。本当は、USBに音源を入れてそれを挿すのがもっともいいのだけれど(テスト車はそうしていた)、Bluetooth接続でも、楽曲の細かなニュアンスが驚くほどよく聴こえる(と思った)。

バッテリー走行中は静かだが、走行中に充電を行うチャージモードを使うと2.5リッターエンジンが目覚める。エンジン音は低く抑えられているけれど、それでも回転が上がっていき、車内の騒音レベルが高くなるにつれて、車速連動音量システムが働く。

「車内でいい音を実現するには、オーディオメーカーだけでなく、自動車メーカーのがんばりも必要。共同作業です」という、インフォテインメント担当者の言葉に納得した。

高まるプラグインハイブリッドへのニーズ

三菱に追い風が吹いていると思うのは、冒頭で触れたように現在、世界的にプラグインハイブリッド車の市場が拡大中であることだ。

メルセデス・ベンツが「Global Trends in Automotive & Financial Services 2024」として発表したデータによると、アメリカとドイツの購買層で「BEVを買いたい」という人の数はやや減っているが、「プラグインハイブリッドの購買を検討してもいい」とする人の数は増えている。

実際、BEVを経験すると、「スムーズで静かな加速感が捨てがたいものに思えてくる」という人は多いはず。その一方で、クルマの買い替えの時期がきたとき、「またBEVを買うべきか」悩む人もいるではないか。なぜかというと、(私見だけれど)モーターにはエンジンほどの個性がないからだ。

エンジンだとガソリンかディーゼルかで悩み、気筒数で悩み、トルクや出力の出方でまた悩む。どれもクルマ好きにとっては楽しい悩みである。BEVにはそれがない。

BEVには、楽しくない悩みがある。充電だ。遠出が好きな人は充電施設の確保で悩み、自宅に充電設備を持っていない人も、やはりスムーズに充電できるかで悩む。

筆者は東京都世田谷区に住んでいるが、自宅周辺の充電施設はごく限られている。ほとんどないといっていいぐらいだ。BEVを扱っている国産車の販売店に確認したところ、「第三京浜を使って(港北インターちかくの)IKEAまで行くことをお勧めしています」との答えだった。

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