アップル、Siri訴訟の「和解金」が起こした波紋 「プライバシー保護」を声明で改めて強調
東洋経済オンライン / 2025年1月14日 10時0分
『データの最小化』は、それぞれのアプリがアクセスできるデータを最小限にするということ。処理をするために必要以上のデータを取得することは許されていない。たとえば、地図でルート検索をした場合も、厳密な現在地は通信には乗せられておらず、ルートはいくつかに分けて送信され、デバイス上で組み合わされる。
『デバイス内での処理』は、基本的にセキュリティチップで管理されたiPhoneやMacなどのデバイス上でデータを処理して、極力通信上に乗せないというもの。デバイスから出さなければ漏洩のしようもない。
『透明性とコントロール』は、それぞれのアプリがどのデータを開くことができるのかを明示し、そのオンオフをユーザー自身が行えるようにすること。App Storeのアプリの紹介の中には、そのアプリがトラッキングに使う情報と、ユーザーに関連付けて扱う情報が明示されている。
そして『セキュリティ』は、それらをTouch IDやFace ID、セキュリティエングレーブなどの機能を使って、安全に管理し、ほかからのアクセスを遮断するというものだ。
SiriやApple Intelligenceもプライバシー厳守
今年、日本でもアップルのAIであるApple Intelligenceが使えるようになる。これはSiriと密接に関係するが、Apple Intelligenceは可能な限りローカルのデバイス上で学習するように設計されており、デバイスの能力で足りなかったとしても、アップルが用意する保護された『プライベート クラウド コンピューティング』内で処理される。
また、Apple Intelligenceを利用してもユーザーデータはApple Intelligenceの基礎モデルの学習には利用されない。
Siriはデータの処理中にそれを追跡するためにランダムな識別子を用いる。これはひとつのデバイスに紐付けられた長い文字と数字の列で、ユーザーのAppleアカウントや電話番号を使ってユーザーを識別することはない。保護を確実にするため、デバイスのデータは6カ月経過後にはランダムな識別子から切り離されるという。
A12 Bionic以降を搭載したアップルデバイスでは、ユーザーがアップルとデータを共有することを選択しない限り、Neural Engine(端末内の機械学習用処理回路)を用いて処理される。この仕組みを利用する場合には、音声モデルのダウンロードが必要となっている。
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