アップル、Siri訴訟の「和解金」が起こした波紋 「プライバシー保護」を声明で改めて強調
東洋経済オンライン / 2025年1月14日 10時0分
Appleはアメリカでの「Siriによって個人のプライバシーが侵害されている」とする訴訟に対して和解金150億円を支払っており、これにより「Appleが事実を認めた」とする一部報道があるからか「Siriのデータがマーケティングのためのプロファイルの作成に使われたことはない」と強く否定する声明を出した。
【写真で見る】iPhoneのプライバシーとセキュリティの設定。各アプリに共有するデータなどを明確に開示し、ユーザーがオン/オフできる
訴訟に対し「データを使ったことはない」と声明
この訴訟は、日常的な会話に登場した商品がオンラインの広告に表示されたことから「操作をしていないのにSiriが起動して、情報を収集したに違いない」とした集団訴訟。
最終的にアップルが集団訴訟を起こしたユーザーに約9500万ドル(約150億円)の和解金を支払うことになったから「アップルが訴えを一部認めた」と誤解した報道も出ており、それに対する声明と思われる。
この和解金は、アメリカのiPhoneやiPad、Apple Watchなどのユーザーに最大約20ドル(約3000円)が支払われるもので、対象者は数千万人規模になると思われる。
アップルは公式声明で、
「Siriは、開発当初からユーザーのプライバシーを守るように設計されています。Siriのデータがマーケティングのためのプロファイルの作成に使われたことはなく、また、いかなる目的のためにも、他者に売ることはありません。サードパーティによるグレーディングに関する懸念については2019年にすでに対策済みであり、Appleはこれ以上の訴訟の長期化を回避し前進するため、和解しました。私たちは、SiriのデータはSiriを常に改良させるために使い、Siriのプライバシー保護をさらに強化する技術を日々開発しています」
と発表した。
Appleのプライバシーに関する4つの基本方針
そもそもこの訴訟が始まった2019年からアップルは一貫して「ターゲティング広告のためにSiriの録音を使用したことはない」と主張している。
また、ユーザーがSiriに対して話したことが、広告主と共有されることはなく、この訴訟やその他の場において、アップルがSiriの録音を広告のターゲティングに利用したという証拠は一切見つかっていない。
アップルには、個人情報を扱う際の『データの最小化』『デバイス内での処理』『透明性とコントロール』『セキュリティ』という4つの基本方針がある。
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